製造を中断しなかった最古のバイクメーカーハスクバーナ

スウェーデン発のバイクメーカー

日本でも根強い人気のバイクメーカーであり、個性的なデザインを好む方から特に高く支持されているのがハスクバーナです。
ハスクバーナは、もともとスウェーデンの南部にある小さな街の名前なのです。

1689年にスウェーデン国王カール11世の命令を受け、銃器の工場が作られました。
これがハスクバーナに関する社史の始まりとなっており、令和の時代でもクオリティの高いモデルを継続的に販売し続けているのです。

もともと小さな街の名前だったのが、その後ブランドとなりました。
ハスクバーナという会社はミシンや自転車など、様々な製品を製造していましたが、1903年になって二輪車を手掛けるようになったのです。

徐々に技術力が進歩していく

1903年になり二輪車まで手掛けるようになったハスクバーナですが、その後徐々に二輪車の製造に関する技術力をアップさせていくようになります。
当初は簡単な構造の原動機付自転車を作るだけにとどまっていましたが、早い段階から独自でエンジンを開発するようになったのです。
またスウェーデン軍へ納品したモデルの技術がとても高いと評価され、これがきっかけでハスクバーナという名前が多くの人の耳に届きました。

その後レースに参戦し、バイク業界にもハスクバーナの名前が広く知られるようになりました。
ロードレースだけではなくオフロードでも成果を見せることとなり、一流メーカーとして人気を博すようになったのです。

消滅の危機もあったハスクバーナ

バイクメーカーの中には倒産の危機があった会社もありますが、ハスクバーナについても同様と言えます。
近年では何度も経営に関して浮き沈みを経験し、消滅をしてしまう恐れもあったほどです。

倒産の危機もあったハスクバーナですが、何とか乗り越えて今に至っています。
現在ではKTMの傘下に入り、これによって経営が非常に安定するようになりました。

ハスクバーナの持つ歴史は大切に守られながら、現在販売されている様々なモデルには新しい息吹が感じられます。
製品の素晴らしさは数字にもはっきりと表れており、2017年には世界販売台数が3万台を超えるまでに成長しています。

スタイリッシュなデザインが特徴

ハスクバーナのバイクは、性能の高さも魅力的ですが、デザインの良さが特に注目すべきポイントと言えます。
国内メーカーが販売しているモデルにはない個性が強く感じられ、他の人が持っていないようなモデルが欲しいという方には特にお勧めしたいメーカーと言えます。

また様々なタイプのバイクを販売しており、中には取扱がとてもスムーズにできる、女性や初心者にぴったりな製品もあります。
個性的でかっこいいバイクが欲しい、そんな方はハスクバーナにも目を向けてみるといいでしょう。

イギリスがルーツのインドのバイクメーカーロイヤルエンフィールド

レトロモダンが特徴のメーカー

インディアンやKTMなど、現在では様々なバイクメーカーから魅力的なモデルが販売されています。
様々なメーカーがある中で、ロイヤルエンフィールドは特に古い歴史を持っているのです。

もともとはイギリスのブランドでしたが、現在ではインド資本となっています。
レトロな雰囲気を感じさせる渋いデザインを持つ車両を長きにわたって提供し続けており、クラシックなデザインを好むバイクファンから特に高く支持されています。

スタイリッシュなバイクも多くある中で、レトロモダンを貫くロイヤルエンフィールドの姿勢は頼もしく感じられます。
2022年にも新製品を発売し、これからも魅力的なバイクを提供し続けていくことが予想される注目すべきブランドです。

1891年から続く老舗バイクメーカー

ロイヤルエンフィールドの歴史は、1891年に始まったと言われています。
イギリス人実業家であるボブ・ウォーカーとアルバード・エディが、針メーカーを運営していました。
会社をより大きくするため、自動車の製造を行ってきたある企業を手に入れました。

1893年にはライフルの製造を手掛ける「ロイヤル・スモール・アーム・ファクトリー」に部品の納入契約を取り付けることに成功しました。
これを記念して、社名を「エンフィールド・マニュファクチャリング・カンパニー・リミテッド」としたのです。

1898年になると、ボブ・ウォーカーが自分で設計したエンジン付きの乗り物を製造しました。
この時に、社名を「ザ・エンフィールド・サイクル・カンパニー・リミテッド」に変更したのです。

インド資本となったロイヤルエンフィールド

イギリスのメーカーであったロイヤルエンフィールドは、1994年にインド資本となりました。
インドのトラックとバスのメーカーである「アイシャーグループ」がエンフィールド・インディアを傘下としたのです。
「ロイヤル・エンフィールド・モーターズ・リミテッド」として営業を開始し、現在までに様々なモデルを販売しました。

ロイヤルエンフィールドの歴史を感じさせるデザインはそのままにし、高性能のエンジンを搭載したモデルを提供している点が長年のファンにとってはきっと嬉しいことでしょう。
レトロモダンというロイヤルエンフィールドが持つ個性は、今後発売されるモデルでも引き継がれていくのではないでしょうか。

2022年に発売されたモデル

ロイヤルエンフィールドは現在でも多くのファンを魅了しており、2022年には新しいモデルが発売されました。
クラシック350と呼ばれるモデルで、かつてのモデルと同様にレトロ感を漂わせている点が大きな特徴です。

ただ単にレトロなだけではなく、シャシーやエンジンをしっかりと改良して発売されています。
性能の向上をしっかりと行い、乗り物としての評価を高める努力を重ねている点は高く評価すべき点と言えます。

数々のレースで実績をあげるKTM

敷居の低さが魅力のKTM

BMWやボルボなど、海外の自動車メーカーは何となく敷居が高そうというイメージを持つ方も多いものです。
これはバイクに関しても同様で、会社と聞くと高額で気軽に購入できないのではと思われがちです。

ハードルが高いと感じられがちな会社メーカーでも、KTMはちょっと違います。
オフロードバイクとして有名で、日本国内にも数多くのファンがいます。
ディーラーのネットワークも整っているので、日本全国どこからでも購入できる点は魅力です。

KTMのバイクは概して乗りやすいという点が特徴で、大型のモデルであっても比較的取り回しがしやすいと言えます。
バイクデビューをする方、女性で取り扱いの容易なバイクが欲しい方には最適なメーカーです。

80年を超える長い歴史がある

KTMの設立は1934年となっており、80年を超える長い歴史を持っています。
当時は1日にわずか数台のバイクを製造する小さな会社で、大量生産ができるわけではありませんでした。

そのような状況だったKTMは、1954年になって大きな転換期を迎えます。
この頃オフロードバイクをメインに製造をするように営業方針を切り替え、本格的にバイクの製造を開始しました。

その後ダカールラリーなど、世界的に有名なオフロードバイクの世界大会へ参戦を果たしました。
これらの大会では数多くのタイトルを獲得し、現在ではオフロードバイクが好きな方を含め、数多くのファンを持つまでに成長していきました。
数台しか1日に製造できない弱小の会社であったKTMは、世界的に有名なメーカーへと変貌を遂げたのです。

オレンジの差し色がKTMの特徴

KTMの特徴は何かと聞かれれば、多くのファンがオレンジ色の差し色を告げることでしょう。
KTMと言えばオレンジというイメージを持つ方も多く、とてもおしゃれなデザインを持つモデルをこれまでに多く製造してきました。
販売しているモデルの多くが軽量のため、女性やオフロードバイク初心者にとっても扱いやすいブランドと言えるでしょう。

また海外メーカーにも関わらず、価格面で国産車と変わらないという点も大きな魅力です。
ダカールラリーのように大きな大会で多数の実績を持つので、高額の商品を販売するメーカーだと思う方もいることでしょう。
しかし実際にはデザインもよく、購入しやすい価格のモデルを多く販売しているのです。

初心者にお勧めのモデル

KTMの商品はいずれも購入しやすい価格なので、これからバイクを購入したい方には特にオススメです。
ただいろんな商品があるので、どれにしたらいいのか迷ってしまうことでしょう。

そんな方にお勧めしたいのが、AT小型限定二輪免許しか持っていない方でも扱える「125 DUKE」です。
125ccと排気量は控えめですが、BYBRE製ブレーキが使われています。
エントリーモデルであっても仕様は本格的なので、十分な満足感が得られます。

ハーレーと共にアメリカンバイクの歴史を作ったインディアン

アメリカでもっとも古いブランド

日本国内では様々なバイクブランドに関心を持つファンが多くいますが、渋さ感じさせるバイクが好きな方から特に高く支持されているのがインディアンです。
インディアンモーターサイクルは、アメリカでも最も古い歴史を持っているブランドです。

創業以来様々なモデルを登場させてきましたが、特にスカウトとチーフは多くのファンを抱える程の人気を博しました。
またマン島TTレースでは、1位から3位まですべてインディアンのバイクで占められるなど華やかな成績を納めました。

ただ現在まで順風満帆だったわけではなく、数回の倒産を繰り返してきたと聞くと驚く方もいることでしょう。
しかし現在ではワイルドなモデルを販売し、日本国内のファンから愛され続けています。

1901年にバイクを初めて発売

日本国内でも多くのファンを持つインディアンは、1901年に初めてとなるモデルを発売しました。
アメリカにおけるバイクの歴史に関して、最も古いとされるバイクブランドの誕生と言えます。
その後大排気量のバイクを発売し、ワイルドなタイプのバイクを好むファンから高い支持を受けました。

インディアンの製品はアメリカ以外の国でも人気となり、その中には日本も含まれています。
日本国内では警察が使用する車両としても採用され、品質という点でも高く評価されたのです。

インディアンは、その後世界中のバイクファンから知られているポラリスが経営権を取得しました。
高性能のエンジンを搭載し、パワフルで快適にドライブを楽しめる製品を販売し続けています。

業績悪化の理由

アメリカ人たちに好まれるパワフルで男性的なフォルムが魅力のインディアンですが、これまでに幾度となく倒産を繰り返しています。
業績が悪化した理由として、人々の注目がバイクから自動車へとシフトしてしまったことが挙げられます。
アメリカ本土ではバイクの人気は絶大でしたが、徐々に自動車に人々の目が向かうようになったのです。

インディアンのバイクも他社製品と同様に売り上げが減少していき、業績が悪化してしまいました。
1953年になり、ついに会社を解散してしまったのです。

一時的にインディアンの製品は姿を消してしまいましたが、投資家によって再興が行われました。
しかしなかなか経営がうまくいかず、何度も倒産を繰り返すこととなりました。

ハーレーと比較されることが多い

インディアンのバイクと聞くと、ハーレーをイメージするバイクファンも少なくありません。
フォルムやエンジンなどがハーレーに似ていることもあるので、このように考えるのは不思議ではないと言えます。

もともとハーレーとインディアンは、いずれも大型のVツインエンジンを古いモデルでも使用していました。
サイズは日本で販売されていたモデルとは比較にならないほど大型なので、ハーレーとインディアンを比較する方がいるのは当然のことかもしれません。

ビモータバイクのポイント

ビモータのバイクを選択する際のポイント

バイクを選択する基準は十人十色となっています。
ただ何かを欲しいと考えている時、かわいかったりかっこよさや美しさなどを考えながら判断していくことが多くなっています。
欲しいバイクでも同じであり、エンジンは空冷でなければダメだったり、ブレーキを利用する時は前後いずれもディスクブレーキを選択したいといった理由もあるでしょう。

ただ部分的なパーツについてこだわっていく以上に、多くのライダーはスタイリングを重要視することが多いです。
技術の進歩もブランドによっては著しく、大きな差がなくなってきています。

近年のバイクはスタイリングがステータスとなっていることが、ライダーの間で共通認識となっています。
個性派のバイクを選択したい時、海外で展開しているメーカーを度外視していくことはできません。

ビモータもその一つであり、選択している人も多いです。
理想的なバイクを選択できるようにしましょう。

イタリアの会社であるビモータとは

ビモータはイタリアで展開している、オートバイの製造販売会社となっています。
そんなビモータの製品の特徴をみていくと、大半の大手メーカーではエンジンをそれぞれの自社で製造していたり、それぞれのオートバイを使用しながらレースへ参加してアピールをしていることがあります。
特に創業した当初は、大型のオートバイを製作していく技術が徐々に発展しており、ポテンシャルをレースで見せていることが多くなっています。

ビモータも初期は大手メーカーより完成したバイクを購入していき、エンジン部分だけを取り外して使っていました。
さらにビモータのバイクの価格は高いというのが共通認識となっていましたが、これはビモータの当時の生産ラインの大半が手作業に近くなっている状態だったためです。

単体でエンジンを供給するメーカーも少なかったため、どうしてもビモータのバイクの価格が高くなってしまったのです。
ただ購買層はビモータのバイクを支持しており、徐々に軌道に乗っていくと技術の進歩とともに価格も下がっていきました。

有名なビモータのバイクのシリーズ

色々なバイクのシリーズがビモータではありますが、人気が高いシリーズも色々とあります。
それぞれに各メーカーのエンジンが搭載されていますが、DBシリーズはドゥカティ製のエンジンが搭載されています。
そのフレームは現在だとアルミニウム合金製の楕円断面となっているパイプがトラス構造となっています。

スピードなども爽快感を感じることができるでしょう。
またYBシリーズではヤマハ製のエンジンが搭載されていますが、公道市販版となっているYBのフレームをチェックするとYB5以外だとアルミニウム合金製のツインスパーが使われています。

モト・グッツィというブランドについて

ツーリングを行う際のバイク選びは重要

バイクを選んでいく時には、人気モデルを主に検討していくといいでしょう。
売れていくのは訳があると考えていいでしょう。
ツーリングに活かせるのか、それともトレンドやスペックもしくは価格なのかを判断していくこととなります。

人気モデルを分析していくと、ツーリングなどで乗って行く際にライダーがイメージしながら買っています。
しかしトレンドなどで判断するケースは少ないといっていいでしょう。

バイクは長い歴史があるブランドが色々とあり、モデルチェンジを何度も繰り返していきながら受け継がれていくコンセプトであったり定番性があります。
乗りやすいバイクを選択することで楽しく、そして仲間と思い出を作れるバイクとなることでしょう。
初心者でも乗りやすいバイクは色々とありますので、お店の店員さんにも相談しながら決めていきましょう。

モト・グッツィというブランドとは

1921年に設立されたイタリアの企業によって製造されているモト・グッツィは、最古のオートバイメーカーともなっています。
他のイタリアでオートバイを製造しているメーカーが、主にバイクレースであったりスポーツモデルについて開発していく中で、ツーリングに特化したモデルをモト・グッツィでは主軸にして開発を行っています。

モト・グッツィは第一次世界大戦でレーシングライダーとして活躍していた人物の名前を元としています。
戦争が終わり立ち上げていきますが、会社のエンブレムに使われているのがイタリア空軍の象徴ともいわれていた、アクイラが利用されています。
最初の試作車を1920年に製作されましたが、モト・グッツィは起業しようと誓ったメンバーによって名付けられました。

スポーツ車も多いですが、1928年になるとリアサスペンションであったりフェアリングが標準装備されているツアラーモデルのパイオニアとなっている車種が開発されています。
他にも実用車も多くモト・グッツィでは提供されていますので、ツーリングなどで選びやすいでしょう。

モト・グッツィの走りは他に類を見ない

空冷が安定しているモト・グッツィのバイクは、独創的な運転であったり走りが力強くなっています。
ローマ帝国時代より続いている、イタリアの創造性であったり技術力の高さをモト・グッツィで感じることができるでしょう。

そんな中でモト・グッツィのバイクでグッツィガードというものがあります。
これは左右に大きくシリンダーが張り出しており、立ちゴケてしまった時に大きく傷がついてしまうことがあります。
しかしモト・グッツィのグッツィガードによって、シリンダーが保護されていきますので、しっかりとガードできます。

純正だとダイキャスト製になっており、簡単に割れてしまうことがあります。
ヘッドボルトの変形であったり、スパークプラグが破損してしまうこともありますので、注意しながら乗って行くようにしましょう。

高級ブランド!MVアグスタ

栄光と不遇の時代

MVアグスタは高級ブランドとして有名なイタリアのバイクメーカーです。
その歴史は第二次世界大戦前と古く、1923年に航空機メーカーとして設立されました。
1943年にはモペットの製造を開始したのですが、終戦を迎え敗戦国であるイタリアは航空機の生産を禁止され、モペットの発展系であるオートバイの生産を主力とした会社へと変わります。

1948年からロードレースへと参戦し、栄冠を掴んでいきます。
マイク・ヘイルウッやジャコモ・アゴスチーニ、ジョン・サーティースといった歴史に名を残す名選手を輩出しています。
ロードレースは4ストローク全盛から2ストロークへと変貌を遂げ、MVアグスタは1976年に撤退することになります。

またレースだけでなく、1971年2代目社長が亡くなり3代目が就任すると、1976年オートバイ部門とレース部門の解体を発表。
そして翌年、オートバイ事業から完全撤退します。

それから20年後の1997年、カジバがブランドを取得し、MVアグスタは再興し1999年現在も販売しているF4が発表されました。
ですが2004年プロトンへ買収され、翌年にはGEVIへと売却されます。
2008年にはハーレーへ売却され、2010年に再びカジバへと売却されることになります。

走る宝石

復帰以降経営不振が続き、売却の道を辿っているMVアグスタですが、販売されているバイクが悪いというのではなく、経営法が悪いだけなのです。
1999年に発売を開始したF4は「走る宝石」ともいわれ、現在も継続されている人気モデルです。
このF4は高性能な4気筒エンジンを搭載をするというコンセプトをもとに作られ、エンジン開発にはフェラーリも参加しています。

限定モデルであるF4セリエオーロやF4CC、メモリアルモデルであるF4セナやF4アゴなどプレミアムなモデルが数多く登場しています。
また性能に関しても、1000ccクラス市販車としては世界最速を記録したF4 1000R、発売当時750ccクラスの市販マシンとしては最高出力を記録したF4 SPRなど誇るべきものです。

F4最大の特徴はマフラーで、テールシートから4本突き出す形になっています。これは世界を見渡してもF4だけのもので、後ろから見てもそれだと確認することができる貴重なものです。
F4は2009年にフルモデルチェンジを行い、750ccは廃止され1000ccのみとなっています。

その他のモデル

その他のシリーズはF4のネイキッドモデルであるブルターレシリーズと、3気筒エンジンを搭載したミドルクラスのF3があります。
F3は2010年登場の新しいモデルで、ミドルクラスならではのエンジンのコンパクト感とホールド性の良さは、F4よりもよりライディングを楽しむことができます。
またミドルクラスというだけに価格もF4と比べ安価だけではなく、走行中に変更可能なエンジンの4種類の出力モードや8段階のトラクションコントロールといったF4と同様の装備は装着されています。

レースで活躍するアプリリアの全て

始まりは自動車生産

アプリリアの創業は以外と早く、第二次世界大戦直後になります。
このときはオートバイではなく自転車生産で、1968年創業者であるバリエ・アルベルト・バッジオから息子のイバノ・バッジオに引き継がれモペットから生産を開始しました。

1974年になると本格的なモトクロッサーの生産を開始し、モトクロス世界選手権シリーズに鈴木都良夫選手を擁し参戦しました。
レースのノウハウを市販車へとフィードバックするその思想は、現在でも継続されています。

モトクロスでの活躍が注目されていたアプリリアですが、1980年代初頭にはエンデューロ、トライアル、オンロードモデルと製作されています。
1990年代には実用バイクの生産も開始し、モト・グッツィ、ラベルダなど有名メーカーを買収するなど頂点を迎えますが、事業の失敗や目玉ともいえるレース活動に資金をつぎ込み過ぎたため財政難に陥り、2004年ピアジオの傘下に入ることになります。
ピアジオはイタリアで有名なスクーターメーカーですが、現在でもアプリリアのスクーターは同社名で販売されており、そのブランド力は衰えていません。

レースでの活躍

アプリリアのレース活動は当初はモトクロスでしたが、その活躍の場はサーキットへと移ります。
1990年代小排気量の2ストローク125ccと250ccで活躍しました。
アプリリア参戦以前は、技術が特出した日本製バイクの活躍が目立っていましたが、アプリリアのマシンは優れていたといわれていたピストンリードバルブを使用せず、旧式であるリードバルブを使用し馬力を向上させることに成功しました。

特にその速度差は250ccクラスで大きく、後にアプリリアワークスに入ることになった原田哲也をもって「ビアッジ(当時のライバル)に負けているのではない。アプリリアに勝てないだけ」といわせるほどでした。
またアプリリアは日本人ライダーとの付合いも深く、前出の鈴木や原田、さらに125ccの坂田和人とも契約しています。
原田は250ccクラスだけではなく、後に参加することになる500ccクラスでも新開発のアプリリアのマシンに乗っています。

レースのノウハウがつぎ込まれたアプリリアのレプリカマシンは、高価なパーツが装着されかなり過激な仕様になっています。
国産のレーサーレプリカより扱いも難しいので、初心者は注意が必要です。

すべてを作っているイメージがあるアプリリアですが、250ccクラスレプリカであるRS250はスズキRGV-Γのエンジンが。
1000ccV2エンジンはロータックス社製が使用されています。
過激なレプリカが目立つアプリリアですが、ツアラーやネイキッド、オフロード車やスクーターなど扱いやすいモデルも発売されていますので、意外と間口が広く、日本人にも親しみやすいメーカーだともいえます。

トライアンフの波乱に満ちた歴史

波乱に満ちたその歴史

トライアンフはイギリスのメーカーで、その歴史は古く、1885年に設立した輸入貿易会社がその原型とされています。
当時普及しだした自転車を扱い、1887年自社製造を手掛けるためトライアンフ・サイクルを設立しました。
そしてオートバイが登場すると、1902年他社製エンジンを自社製フレームに搭載した1号車を登場させ、1905年にはエンジンも自社製のバイクを登場させ、1906年にはトラアンフ・エンジニアリングと変わりました。

トライアンフのバイクは1907年に始まったマン島TTレースで活躍し、その完走率の高さ(当時のバイクでは完走すら難しい)と1908年の優勝により高評価を得ることになります。
そして第一次世界大戦のおりには、連合軍の車両として使われ、より一層評価を高めることになります。
ですがこの大戦後、トライアンフは波乱に満ちた道を歩んでいくことになります。

1923年4輪車の発売を開始。
1932年自転車部門売却。
1936年オートバイ部門買収される。

1939年第二次世界大戦勃発、空襲を受け工場壊滅。
1951年BSAへ売却。
1960年代後半日本製バイクにより業績悪化。
1973年ノートンと合併。

1977年合併会社倒産。
1984年トライアンフの商標権や生産権が購入されトライアンフ復活。
しかしライセンス生産の条件がオリジナルに忠実であったため、現在の環境基準に適合しておらず1988年生産終了。

1990年現在の会社が設立。
1991年本格生産スタートと、トライアンフの名前は継続していますが、経営母体は幾度も変わっています。

現在のトライアンフ

波乱に満ちた歴史を歩んでいるトライアンフですが、第二次大戦中にメリデンに工場が移され、その工場から名車が数々生み出されています。
この時代を彷彿とさせる懐古調のデザインは空冷2気筒を搭載し、ボンネビル、スラクストン、スクランブラーとして今も継承されています。

トライアンフの代名詞といわれる3気筒エンジンは現在では水冷化し、スーパースポーツやツアラー、デュアルパーパスモデルなどの主力として搭載されています。
マルチでもツインでもない並列トリプルは、バイクエンジンとしては珍しく、その出力特性や振動とともに人気の一つとなっています。

またトライアンフはクルーザーも製造していますが、スピードマスター、アメリカは空冷並列2気筒。サンダーバードは水冷並列2気筒を搭載しています。
そして市販車最大排気量の2294ccを誇るロケットシリーズは、並列水冷3気筒を搭載しています。
この排気量ですと1気筒あたり約764ccとなり、単気筒で以前の国内最大排気量であった750ccをゆうに超えることになります。

このエンジンは排気量の割りに馬力は148psとスポーツバイクほどではありません。
ですがトルクがとてつもなく、221Nm/2,750rpmと乗用車並です。

バイクとしては最重量級である374kgですが、自動車並みの重量ではありません。
低い回転域から発生する自動車並のトルクは、重い車体をものともせず別次元へと加速することが可能となっています。

特殊なメーカー!ビューエルとは

特殊なメーカー?

ビューエルはオートバイメーカーというより、ブランドといえるもので、他のメーカーと違う点がいくつかあります。
1983年、ハーレーダヴィットソンのエンジニアであったエリック・ビューエルがRW750を製作したことに端を発します。

その後エリックは1986年、独立しビューエルモーターサイクルカンパニーを設立することになるのですが、ハーレーダビッドソン製のエンジンをオリジナルフレームにマウントするという、ビモーターと同様の形式を取っています。
ですがビモーターは複数メーカーのエンジンを搭載していましたが、ビューエルは一貫してハーレーのエンジンを使用していました。

そして1998年ハーレーに買収され自社ブランドとなると、当然のようにそのエンジンが搭載されることになります。
ですがハーレーブランドであるビューエルが、ロータックス製水冷Vツインエンジンを搭載した1125Rも存在しています。

ビューエルはハーレーのエンジンを搭載し、ハーレー内のブランドであるのに、別会社のエンジンも積んだことがあるという変わり種なのです。
そして2009年ハーレーはスポーツ・バイク分野からは撤退することを発表しました。

しかしエリックはエリック・ビューエル・レーシングを設立し、2010年ホンダと合弁解消したインドのヒーロー・モトコープと2012年技術提携し、2013年その傘下に入りました。
2014年にはスーパーバイク世界選手権にシリーズ参戦しています。
ハーレーの撤退以降、市販車の販売はされていませんが、ヒーローエンジンを搭載したビューエルが登場するかもしれません。

マシンの特性

ビューエルのマシンは、現在レースに不利とされているハーレーのエンジンを搭載していることが最大の特徴です。
ハーレーはアメリカンツアラーの代表ともいえるスタイルをしており、馬力よりも低速域でのトルク重視で、スポーツにはまったく向いていません。

ビューエルは大型ツアラーであるハーレーの真逆ともいえる、超ショートホイーツベースを実現し、俊敏なハンドリングを実現させています。
V型2気筒の特徴ともいえる振動は、ラバーマウントにより押さえ、マフラーやサスペンションエンジンなど重い部品を中央下部に集めることにより、操縦性を上げています。
また鈍重であったV型OHVをチューニングすることにより、レスポンスを高め、基本的なトルク特性により出足と立ち上がりに強いマシンへと変化させています。

ビューエルのシリーズには、ストリートタイプのライトニング。
カウル付きのファイヤーボルト。
未舗装路も走行できるマルチパーパスモデルであるユリシーズがあります。
いずれのモデルも、ハーレーエンジンを搭載していながら、国産マシンに匹敵する軽さであり、俊敏な動きを実現しています。