オイル交換の最適タイミングと選び方ガイド

オイル交換の最適タイミングと選び方ガイド

オイル交換

交換頻度の目安

エンジンオイルは潤滑と冷却を担うため、金属摩耗や発熱の影響で性能が低下します。市街地走行であれば、走行五千キロまたは前回交換から六か月のいずれか早い方を目安とする整備マニュアルが一般的です。渋滞の多い都市部や未舗装路を頻繁に走る環境では熱負荷が大きくなるため、三千キロ前後での交換が望ましく、エンジン内部を健全に保つことができます。

アイドリングの多い宅配業務でも同様の対応が推奨されています。オイルが黒く濁る、粘度が下がる、金属粉が混じるなどの兆候があれば、早めの交換が必要です。また、長期間保管された車両では酸化が進むため、春先の再始動前に新しいオイルへ入れ替えることでエンジンへの負担を軽減できます。

最後に取扱説明書に記載された基準を確認し、実際の走行環境と合わせて判断することが長寿命化につながると考えられます。

オイル種類の特徴

バイク用エンジンオイルは、鉱物油・部分合成油・全合成油の三種類に大別されます。鉱物油は価格を抑えやすく、街乗り中心の使用に適していますが、高温域では油膜が切れやすいため注意が必要です。

部分合成油は鉱物油に化学合成基油を配合し、耐熱性と洗浄性を高めています。日帰りツーリングやワインディング走行など、日常使いとレジャーの両立を目指す用途において、価格と性能のバランスが良好です。

全合成油は酸化耐性が高く、サーキット走行や高速巡航でも粘度変化を最小限に抑えることが可能です。単価は高めですが、交換間隔を延ばせる場合もあるため、トータルコストで見れば必ずしも割高とは限りません。

粘度表示は温度による流動性の変化を示すものであり、寒冷地で使用する際は、低温側の数値が小さい製品を選ぶことで始動性を向上させることができます。

交換費用の相場

交換費用は依頼する業者により異なります。ガソリンスタンドでは、オイル代が三千〜五千円、工賃が五百円前後となるのが一般的で、工賃無料のサービスを行う店舗も増加傾向にあります。

ディーラーの場合は純正オイルと作業保証が付帯し、費用は六千〜一万円程度となりますが、整備履歴が記録される安心感があります。カー用品店や民間整備工場ではキャンペーンが実施されることもあり、工賃込みで三千円台に収まる場合もあるでしょう。

こうした施設はツーリング前に立ち寄りやすい点も利点です。自分で交換する場合は、ドレンワッシャと廃油処理箱を含めて二千円程度に抑えることが可能ですが、締め付けミスによるオイル漏れやネジの破損といったリスクもあるため、一定の経験が求められます。

費用を比較する際には、オイルのグレードや付随するサービスの内容を確認し、単純な金額のみで判断しないことが重要です。なお、オイルエレメントは二回に一回の割合で同時に交換することで、金属粉などの異物を効果的に除去できます。

エレメント代は一千円前後、追加工賃は五百円程度であり、同時交換を選んだ方が結果として経済的です。廃油は一般ごみとしては捨てられないため、処理ボックスの使用や回収サービスの利用を通じて、環境法規に従った適切な処分を行う必要があります。床面を汚さないためにも、丁寧な取り扱いが求められます。

ツーリングに使える冷感インナー

冷感インナーの選び方

夏はライダーにとって、ツーリングを楽しめるシーズンとなります。
その一方で暑さと湿気が厳しくなりますので、しっかりと暑さ対策をしないと熱中症や脱水症状でやられてしまう危険もあります。
暑さ対策としてできることはいろいろありますが、冷感インナーを着用するというのは簡単にできて、効果の高い方法なのでおすすめです。

冷感インナーは、特殊な素材の構造によって、汗を素早く吸収して乾燥させることで気化熱の原理を利用して涼しく感じさせることができます。
また、熱伝導率の高い素材を使うことで、金属を触った時のようなひんやりとした感覚を与える効果をもたらすものもあります。
いずれの場合でもさらっとした肌触りの素材であることが多く、肌に貼り付かず快適な着心地を保ってくれます。

冷感インナーを選ぶ際には、まず半袖か長袖で選ぶことができます。
夏のインナーなら半袖だろうと思うかもしれませんが、長袖にすると汗が手に垂れてくるのを防げるので、意外と快適だと感じるライダーも多いのです。

その上で、急速速乾性がどれだけあるかを比較しましょう。
速乾性の高いものの方が汗のべたつきが解消されますし、サラサラした感じを保ちやすいです。
消臭機能があるかもポイントで、どうしても夏は汗で蒸れて臭いが出てしまいますので、消臭素材を使っている製品の方が安心です。

ライダー向けとしては、コンプレッションウエアという選択肢もあります。
着圧ウエアという表記がなされていることもあり、体にぴったりとフィットするストレッチ素材を使っているインナーです。
体の表面に適度な圧力をかけることで、疲労を軽減したり動きを適正にしてケガを防止したりする効果を生みます。
冷感素材を使っている製品も多いので、ツーリングなどの長距離走行であれば選ぶメリットは大きいでしょう。

おすすめの冷感インナー

冷感インナーはたくさんの製品が出ているのですが、その中でも「氷撃」という製品は機能性が高く人気があります。
水分と風によって一気に涼しさをもたらしてくれる仕組みとなっているため、風を受けるライダーにはもってこいのインナーと言えるでしょう。
長袖や半袖、アームのみといったラインナップの広さも選びやすいポイントです。

「LIQUIDWIND」というRSタイチから販売されている冷感インナーもおすすめで、この製品の最大の特徴は、ウエスト部分にボトルを装着するというところにあります。
ボトルには冷却水を入れて、ボトルを押すとインナー内に冷却水が循環する仕組みとなっています。
冷却水は首のチューブから染みてくる形となり、バイク走行中風が入りやすい胸元から一気に冷やしてくれるのです。
ユニークで、バイク走行には最適の冷感インナーと言えるでしょう。

バイク用リュックの選び方

バイク用リュックの選び方

バイクは気軽にどこにでも行ける乗り物ですが、自動車に比べると収納性が落ちるのがネックです。
そのため、荷物を運ぶためにリュックを使っている人は多いです。

バイクで荷物を背負う場合、特にライダー専用のものでなくても問題はなく、タウンユースのものや登山用のリュックを使っているライダーをよく見かけます。
それでもバイク用に開発された製品というのは、やはり専用品だけあってバイク乗りにとってはとても相性の良いものです。
というのも、まずバイクを運転することを前提として作られているので、動きを取りやすい構造となっているのです。

たとえば、走行時の風のあおりを受けてリュックが動いてしまわないよう、背中にしっかりとフィットする作りがなされています。
ショルダーストラップや腰回りのストラップを細かく調整できる構造となっていて、隙間を作ることなく背負えます。
もちろん、ストラップはライダーの腕の動きを邪魔することのない位置に取り付けられていますし、座っても腰回りのストラップが邪魔になることもありません。

また、防水性の高い素材を使っているのも特徴です。
登山用のものも防水機能が付いているものが多いですが、バイクの場合は雨だけでなく強い風にさらされることがあります。
そうなると、より内部に雨がしみ込みやすい状況となります。
こうしたシーンでも耐えられるように、より防水性が高く設計されていて、安心感が強いのです。

そして、バイク用リュックならではのものとして、プロテクター機能を備えた製品を挙げることができます。
ハードシェルの作りで、転倒した時に背中側の衝撃をやわらげる働きをしてくれます。

おすすめのバイク用リュック

バイク用リュックとしてメリットが大きく、有名なのが「ボブルビー」です。
ABS樹脂で作られたハードシェルのリュックで、プロテクター機能もデザイン性も高いのが人気の理由です。
これにステッカーを貼るなどして、自分の個性を出せるのもポイントです。

「ドッペルギャンガー ターポリンデイバッグ」は、非常に高い防水性を持つ特殊素材を使っているのが特徴です。
固定金具も取り付けられているため、シートバックとしても利用できるのもうれしいところです。
さらにエアバルブがあるため、圧縮して荷物をコンパクトにできる機能があるのもおすすめポイントです。

「デイトナ ヘンリービギンズ」も防水性の高い素材を使うと共に、内部に仕切りを設けることで内部に水が入り込まない構造となっています。
ポケットの数が多く、モバイルバッテリーや財布などの小物を上手に収納できるのが便利な点です。
日常使いからちょっとしたお出かけにも使えるサイズなので、いつでも気軽に背負って出かけられます。

バイクといえば革ジャン!革ジャンの選び方

革ジャンの選び方

ライダーの定番のジャケットと言えば、やはり革ジャンでしょう。
その耐久性や防風性はどんなシーンでもライダーを助けてくれるものとなりますし、革ジャンならではのスタイルの良さには憧れるという人も多いのではないでしょうか。

ライダー向けの革ジャンの特徴としては、牛革のものが多いという点です。
かなり丈夫な素材ですので、雨風にも耐えられますし多少の摩擦でも平気です。
見た目と品質をキープするためには、皮革用のオイルを塗るなどメンテナンスが必要となりますが、しっかりと手入れをすればかなり長もちします。

バイク用の革ジャンの選び方としては、まず動きやすさを考えるべきです。
普段着の革ジャンでも使えないこともありませんが、腕や肩が窮屈になってハンドルやレバー操作がしづらくならないか試す必要があります。
また、普通の革ジャンだと、正面のジッパーから風が入り込んでしまうことがほとんどです。
高速で走ると、風によってかなり寒く感じたり、服が膨らんでしまったりすることもあるので注意が必要です。
こうしたことから、できるだけバイク用に作られた革ジャンを選んだ方が無難と言えます。

その上で、自分のサイズに合っていて重すぎず、体を動かしやすいものを選びましょう。
また、プロテクターが入っているかどうかもポイントとなり、万が一の転倒の際に自分を守れる装備かを確認するのも大事です。
特に肘や背中、腰回りのプロテクターがしっかりと機能するかを確かめましょう。
サーキットなどでは、こうしたプロテクターがないと走行させてもらえないことが多いです。

できれば、革ジャンを着た状態でバイクにまたがってみて、前傾しても背中周りが窮屈に感じないか試してみると、走行中スムーズでしょう。
革ジャンにもシングルとダブルがありますし、上下セットで販売されている製品も見られます。
それぞれで着やすさや防風性、重さなどに違いがありますので、デザインを見ながら試着して自分に合ったものを選びと良いです。

おすすめの革ジャン

「Horn Works」のシングルライダーズジャケットはシンプルなデザインですが、ライディングのことを考えた作りになっているため快適で機能的です。
比較的ぴったりのサイズ感ですが、窮屈に感じることはなく前傾姿勢でも動きやすいのでおすすめです。

「デグナー ワックスシープレザージャケット」は、柔軟性のある羊の皮を使った革ジャンです。
脱着できるプロテクターが装着されているため、シーンに合わせて設定できるのが魅力です。
レトロで非常にデザイン性が高いことに加えて、メンテをすればずっとき続けられる耐久性の高さも特徴となっています。
またアフターサービスも充実していて、修理も丁寧にしてくれるのもライダーにとってはうれしいところです。

バイクには着るエアバッグ

着るエアバッグの選び方

ライダーにとって自分の身を守る装備を選ぶというのは、長くバイクに乗り続けるためにも欠かせないことです。
現実問題として、バイクの事故は自動車の事故に比べると重大事故につながりやすく、死亡事故の割合も高くなっています。
死亡事故に至る原因として頭部と胸部への強い衝撃が大半を占めていますので、安全装備を選ぶ際にはこれらの部位を守れるかを重視すべきです。

その点で注目されているのが、「着るエアバッグ」です。
自動車の場合は、衝突などの衝撃を感知すると自動的にハンドルやダッシュボード付近からエアバッグが膨らむ仕組みがあります。
しかし、バイクはエアバッグを車体から膨らませても、ライダーが落下すると意味のないものとなってしまいます。

そのため、ライダー自身がいわばエアバッグを身に着けることによって、その役割を果たすことができるのです。
もともとライダーはプロテクターを身に着けることが多いですが、その安全性を高めた装備で、レーサーや白バイ隊員などが装着していることで認知度が高まっています。

着るエアバッグにはいくつかの種類があるので、その違いを理解して選ぶことが大事です。
ベストタイプは袖なしで、ジャケットなどの上に装着できるもので、オールシーズン使えるのが特徴です。
ジャケットタイプは長袖で、ジャケットの中にエアバッグが組み込まれています。
夏の暑い時期は着づらいですが、他の季節であれば上着を着なくても良いので便利です。

レーシングタイプは、サーキット走行向けで密着するスーツにエアバッグが組み込まれています。
ハーネスタイプはジャケットの上でも下でも装着できますし、レインウエアの上からでも着けられます。
より汎用性の高いもので、オールシーズン使えます。

このように、季節や他に着たい服装、走行シーンなどに合わせて考えましょう。
また、防水性や収納、予算、ブランドなども考慮して総合的に選ぶと良いでしょう。

おすすめの着るエアバッグ

着るエアバッグで人気が高いのが、ヒットエアーです。
無限電工という会社が作っているシリーズで、世界初の着るエアバッグを開発した会社でもあります。
信頼度が高くいくつもの国の警察が採用しているほどですから、安心感を重視するなら一番おすすめのブランドです。
その中でも一体型エアバッグハーネスは、気軽にジャケットなどの上から着用でき機能性が高いものです。

アルパインスターズは、登山用アイテムでも有名なブランドです。
ライダー用プロテクターでも人気があるので、この製品を使っている人も多いのではないでしょうか。
着慣れたブランドで選びたいということであればおすすめです。
その中でも「スマートジャケット」は半袖で蒸れにくく、エアバッグとしての性能も高いので間違いがありません。

夜は車から見えやすい色にしよう

バイク王が行った実証実験

バイク買取で有名な「バイク王」は、単にバイクの流通だけでなく、より快適で安全なバイク走行をしてバイクを楽しんでもらえるようさまざまな取り組みを実施しています。
その一つとして、2014年に「夜間の安全と色彩に関する実証実験」というものを行っています。
この実証実験の目的は、暗くなって見えづらくなる夜の時間にどの色がより目立つか、逆にどんな色だと視認性が下がってしまうのかを確認するものです。

バイクはただでさえ自動車と比べて車体が小さいため、見づらいものです。
しかもライダーは黒などの暗い色を基調とした服装をしていることも多く、周りから発見しづらいことがあります。
そこで、こうした実証実験を通して、より安全な夜間走行をするための提言をしているのです。

見えやすいのは蛍光のイエローと白色

実証実験では、バイク本体と共にヘルメットの色についても検証しています。
こうした実験はすでに40年以上も前になされていますが、現在ではヘッドライトの性能や光色も変わってきています。
また、街灯についても、ライダーが身に着ける服やヘルメットの色彩も変わってきています。
そこで、現代のバイク事情に合った形での実験をしています。

実験の内容としては、卓球で使うボールを15色に塗って、暗い中で参加者に視認してもらいます。
最初に置いた場所からだんだん近づけていき、どの場所ではっきりとボールのことを認められたか、その距離によって視認性の高さを判断するという方法でなされています。
実験の状況をリアルにするために、夜の一般道に近い環境で実施しています。

その結果、一番視認性が高かったのは蛍光のイエローということが分かりました。
最も見づらい色が視認された9.5mに比べると、蛍光イエローは47.5mで視認でき、5倍くらいの見えやすさとなりました。
次に視認性が高かったのは白色で、47.1mとほぼ蛍光イエローと同じでした。

見えにくい色は黒

逆に、この実験で一番見えづらかったのが、黒色でした。
上記のように、10mを切る距離にならないとボールの存在を認めることができなったのです。
この近距離だとバイク走行時に回避行動を取るのは実質的に不可能ですので、いかに黒色が夜間においてはハイリスクかが分かります。

それから、一般的に見えやすいと思われているものが、それほどでないという結果も出ています。
たとえば、なんでも蛍光色の方が見えやすいと思われがちですが、ピンクの場合は蛍光色よりも普通の色の方が見やすいことが分かっています。
また、同じ蛍光色でも、イエローに比べるとグリーンは視認性が7割程度に落ちてしまうという結果も出ています。
こうした結果を踏まえて、より見やすい蛍光イエローや白を使ったヘルメットや服装を選ぶことの重要性が分かります。

夜間走行時はハイビームとロービームを上手に切り替えよう

夜間走行はハイビームが基本となる

夜間にバイクで走る時には、視野を確保するためにも自分の存在を相手に知らせるためにも、必ずライトを点けます。
バイクのフロントライトにはハイビームとロービームがありますが、どちらを点けておくべきなのでしょうか?

実は、この点については道路運送車両法の保安基準の中で明確にされています。
ライトの項目では、走行用の照明としてハイビームが指定されていて、ロービームはすれ違い用と定義されているのです。
こうした記述から分かるように、基本的に夜間走行においては、ハイビームを点けた状態でいることになります。

このようにハイビーム走行というのは法律で定められたものですので、違反すると罰則が適用されることもあります。
周りに対向車などがいなく、道路が暗い状況であればハイビーム走行をすべき環境と見られますので、その状態でロービームだと違反と見なされます。
つまり、無灯火違反と同じ扱いになるわけです。

この場合、二輪車では6,000円、原付では5,000円の反則金、1点の違反点数が科せられてしまいます。
もちろん、よほどの状況でない限り現実としてはこうした罰則を科せられることは考えにくいですが、基本的な考えはこうしたところにあると覚えておくと良いでしょう。

ロービームに切り替える場面とは?

原則は夜間走行中はハイビームということは分かりますが、それならいつロービームに切り替えるべきなのかという話になります。
この点については、道路交通法では他の交通を妨げる原因となる状況では、減光つまりロービームへの切り替えをすることを求めています。
具体的な状況としては、他の車両とすれ違う場合や別の車のすぐ後ろを走る場合などが挙げられています。

こうした状況でのロービームへの切り替えをしない場合も、罰則の対象となりえます。
「減光義務違反」という罰則が適用され、二輪車6,000円、原付5,000円の反則金が科せられます。

これ以外にも、ロービームにした方が良い場面もあります。
警察では、その例として交通量が多い市街地を走っている時や、自動車やバイクでなくても自転車が向かい側にいる場合なども挙げています。
しかし、それ以外のケースでは基本としてハイビームで走行するよう指導しています。

このように、バイクの夜間走行ではハイビームとロービームの切り替えを細かく行っていく必要が生じます。
最近のモデルでは自動的に切り替えをしてくれる機能もありますので、機能をオンにしてライダーの手間を省くというのも一つの手でしょう。
法律順守ということもありますが、やはりライトは自分と周りの安全を守るために必要なことですので、高い意識を持って行っていきたい分野と言えます。

いざという時のための受け身の取り方

バイクで転んだ時の受け身の取り方

ライダーにとって、バイク走行時の転倒というのはある意味で避けられないものです。
もちろん、できるだけ転倒を防ぐための安全策を講じながら走るものですが、予測できない事態によって転倒する可能性があるからです。
それだけに、バイクに乗るのであれば転倒に備えておくことが自分の身を守るために欠かせません。
その一つの方法が、受け身を取るということです。

バイク転倒による死亡につながる重大事故においては、頭部の損傷が全体の半分くらい、胸部の損傷が3割くらいを占めています。
そして、1割が腹部が原因で死亡しています。
こうしたことを考えると、頭部を重点的にして、上半身を守るための受け身の仕方を覚えておくことが重要だと分かります。

バイクで転倒する時には、たいていの場合手や肘、膝が一番初めに道路に触れます。
こうした部位を上手に使って受け身を取ることができれば、上半身にかかる衝撃を和らげることができます。
そのため、グローブを装着し、肘と膝のプロテクターを身に着けることが安全のために大きな効果を果たすことが分かります。

その上で、バイクが傾き転倒、つまりライダーがバイクから落ちる瞬間に、上半身を丸めて頭部を上に残すような姿勢にします。
背中側から着地するようであれば、着地の瞬間に肘から腕までを地面に対して振り下ろすようにして衝撃を吸収します。
この際、同時にかかとも地面にぶつけるようにできると、体のいくつもの部分で受け身を取れることになります。

ポイントとなるのは、頭を地面に打ち付けないようにお腹側に丸めることです。
また、意識して腕を地面に打ち付けるようにして、衝撃がかかる部位を上半身以外のところにすることも重要です。
このように、意識的に体を動かして、重要な部分を守る感覚を身に着けるようにしましょう。

受け身の練習方法

実際に転倒し落下する場合、道路に体がぶつかるまでほんのわずかな時間しかありません。
そのため、頭で考えていても受け身を取るのはかなり難しいです。
効果的な受け身をするためには、繰り返し練習して体で覚えさせるしかないのです。

練習をする際には、まず畳やクッションの上などで、体に衝撃がかかっても大丈夫なところで行います。
そして、立っている状態から横、もしくは背中側に倒れ込むようにして転び、腕を中心として地面を打って衝撃を吸収する感覚をつかみます。
倒れる角度や倒れる方向を変えながら、どうしたら頭や胸を地面に打ち付けないようにできるかを確かめてみましょう。
そして、瞬時に考えなくても腕などが出るようにします。

受け身は無意識にできるくらいまで練習しないと、いざという時に出てきません。
繰り返し、そして定期的に練習して安全のために普段から備えておきましょう。

ヘルメットの耐用年数を知っておこう

ヘルメットの耐用年数の概要

バイクで必須のヘルメットには耐用年数が明確に定められていて、その年数以上は原則使わない方が良いことになっています。
耐用年数は法律で定まっているものではなく、それぞれのメーカーが独自の基準を持っています。
国内メーカーの場合は、おおむね3年を耐用年数としているケースが多くなっています。
というのも、日本で使用するヘルメットでは必須となるSGマークでは3年を耐用年数として出しているからです。
そのため、どのヘルメットも3年以内を目安に交換することをすすめる内容の記載がなされています。

ただし、これは3年を過ぎたらヘルメットが使い物にならないとか、耐用年数を過ぎた製品を使用していたら違反となるという意味ではありません。
ヘルメットメーカーでは、この耐用年数について、あくまでもより確実な品質と性能を出せる年数という位置づけにしているからです。
そのため、転倒したり落下させたりしてヘルメットに強い衝撃を与える、過度な熱や紫外線にさらすといったことがなければ、5年から7年くらいの年数は持つとされています。

ヘルメットの寿命の見極め方

目安としては3年という期間があるものの、実際には状態を見つつもう少しの年数使えるということになります。
そこで大事になってくるのが、寿命を見極めて使用を判断するということです。
まず、ヘルメットを被った状態で強い衝撃を与えた場合は、点検、交換をする必要があります。
というのも、表面に大きな傷がなくても内部で構造体が破損している可能性もあるからです。

また、インナーがかなりへたっていて、被ると隙間ができるようなら衝撃を十分に吸収できなくなっていますので交換した方が良いでしょう。
他にも、可動部や固定具のプラスチックが劣化している場合、材質そのものが弱ってきているため交換がおすすめです。
たとえ未使用のきれいな状態であっても材質の劣化は生じるものですから、古い製品は見た目がきれいであっても使わないようにしましょう。

ヘルメットを長持ちさせるには

インナーは衝撃吸収のための重要なパーツですので、こまめに洗うことで劣化を防止できます。
特に長時間のライディングの後や、夏の走行後などは汗で汚くなりがちですので、こまめに洗濯しましょう。
また、汚れが目立つ前に全体を洗浄してきれいに保つことも大事です。
汚れをそのままにしていると、材質の劣化などを進行させるからです。

そして、保管する場所にも気を付けましょう。
樹脂やプラスチックは紫外線に弱い傾向がありますので、できるだけ直射日光が当たるところには置かないようにします。
また、湿気が溜まりやすい場所だとインナーにカビが生えてくる原因となりますので、風通しの良い場所に保管するのがおすすめです。

砂浜を走れる「千里なぎさドライブウェイ」

千里なぎさドライブウェイの特徴・見どころ

千里なぎさドライブウェイは、石川県の宝達志水町から千里浜町につながる観光道路です。
この道路はだいたい8kmの長さがあるのですが、最大の特徴として道路が砂浜だという点が挙げられます。
つまり、アスファルトで舗装された道路ではなく、砂道となっている上を走るのです。
砂浜をバイクで疾走するというのはなかなかできる体験ではありませんので、ぜひここをツーリング先に含めてみたいものです。

普通だと、2輪のバイクで砂浜を走ろうとすると重みでタイヤがめり込んでしまい、それなりの速度を維持しないと上手には走れないものです。
しかし、千里なぎさドライブウェイ周辺の砂粒は、他の砂浜の砂よりも細かい粒子でできています。
そのため海水や雨水などを吸って硬くなり、その上自動車などが走るため締まっています。
もちろんコンクリートやアスファルトのような道路まではいきませんが、バイクで走っても問題のない硬さで、安全に走行できます。
ただし、道路脇のあまり締まっていないところはバイクだと埋もれてしまう可能性もあるので、できるだけ中央を走るように心がけましょう。

千里なぎさドライブウェイの魅力はやはり砂道を走れるという点ですが、同時に美しい海の景色と並行して走れます。
夕方に走る計画を立てれば、水平線に夕日が沈んでいる様子を見ながらツーリングすることもできますから、海沿いならではの爽快感と共に美しい景色を満喫したいものです。

もちろんこのビーチでは海水浴もできますので、7月の中ごろから8月中旬までにツーリングを計画しているのであれば、水着を持っていき海に入ってみましょう。
もしくは、砂浜でバーベキューをしたり花火をしたりすることもできます。
仲間と食材を分担して持っていき、ワイワイとバーベキューをするのもおすすめのプランです。

千里なぎさドライブウェイのルートについての注意点

千里なぎさドライブウェイに行くには、のと里山海道の千里浜インターか今浜インターからアクセスするのが便利です。
金沢市内からだと40分くらいで、千里なぎさドライブウェイの入口まで来ることができるでしょう。
千里なぎさドライブウェイは自由に走行できるのですが、気象条件などによっては規制がかかり通行できなくなることもあります。
そのため、羽咋市が出している観光道路情報をチェックして、事前に通行可能か確かめていく方が安心です。

砂道ですので、特に白い砂が見えるところでは急ハンドルや急発進を避けるべきです。
砂が乾燥して白くなっているため、タイヤが埋もれやすいからです。
また、ビーチに行く通行人が道路を横切ることも多いので、十分周りを目視することやスピードを出し過ぎないという点にも注意を払いましょう。