ヘルメットのあごヒモはしっかり締めよう

見た目よりも安全を重視しよう

ヘルメットを着用することなく、バイクを運転するライダーを見かけることはあまりないことだと言えます。
しかし中にはきちんと紐を締めることなく運転をするライダーはいるので、頭部を強打しないためにもきちんとヘルメットの紐を締めて運転することが大切です。

若いライダーの中には、ファッション性を重視するため、紐を締めずに運転する方もいます。
またヘルメットを後ろに少し倒す感じで装着する方がいますが、走行中にヘルメットが外れてしまうことも予想されます。

自動車や他のバイクに当てて事故を引き起こす恐れがあるため、ヘルメットはきちんと装着することが大切です。
日頃からきちんと着用するように心がければ、常に正しくヘルメットを扱えるようになることでしょう。

ヘルメットの着用は義務

道路上をバイクで走行する場合には、ヘルメットの着用が義務付けられています。
ヘルメットを着用せずに運転してもいいわけではなく、法律によって着用が義務付けられているので、守らなければ違反となってしまうので要注意です。

道路交通法では、「大型自動二輪車又は普通自動二輪車の運転者は、乗車用ヘルメットをかぶらないで大型自動二輪車若しくは普通自動二輪車を運転し、又は乗車用ヘルメットをかぶらない者を乗車させて大型自動二輪車若しくは普通自動二輪車を運転してはならない。」と定められています。
ただヘルメットを適当に着用すればいいというわけではなく、安全のために正しく着用することが大切です。

ヘルメットにも基準がある

バイクを運転するライダーは、常に最適なヘルメットを着用することが必要です。どのようなタイプであってもいいのではなく、基準をクリアしている製品を購入しなければなりません。ヘルメットの基準については、内閣府令で7つの項目に関して定められています。例えば「左右、上下の視野が十分とれること」「風圧によりひさしが垂れて視野を妨げることのない構造であること」などがあり、7つの項目をすべてクリアしていなければならないのです。耐久性や構造のだけではなく、2キロ以下という重量に関する基準が設けられているのです。ヘルメットをかぶっていたとしても、基準をクリアしていないと違反の対象となってしまうので要注意です。もし違反をしてしまうと、違反点数1点が加算されてしまいます。。

紐をきちんと閉めていない場合

ヘルメットの紐をきちんと閉めていない場合、直ちに違反だとは言えません。
ノーヘルで走行してるわけではないので、紐をきちんと閉めていなくても違反にならない場合もあります。
しかし現場の警察官の裁量によって判断は異なるので、常に紐を締めて運転することが大切です。

紐を締めるときには、指1本分の隙間ができる程度になるようにしましょう。
あまりきつく締めると苦しくなってしまうので、少しだけ余裕を持たせて紐を締めることが大切です。

転倒時の被害を最小限に抑えるには

プロテクターの着用が大切

バイクによる交通事故で、死亡につながるケースも見られます。
死亡事故の原因は様々ですが、損傷部位の中でも死亡に繋がりやすいのが頭部です。

頭部への衝撃によって、命を落としてしまう方が多いことを示しています。
運転中に頭部を保護するために、しっかりとヘルメットを紐で固定することが大切です。

頭部以外では、胸部の損傷が原因として挙げられます。
転倒によって胸部にダメージが加わることがありますが、少しでもダメージを受けないためにプロテクターを運転時には着用することが大切です。

短時間のドライブであっても、肌がむき出しにならないように心がけるようにしましょう。
体をしっかりと保護することで、大切な命を守ることができます。

ブレーキを積極的に使用する

バイクの運転時に交通事故を引き起こすことがありますが、少しでも大きなけがを負うことがないようにする必要があります。
大きなけがを負わないために、ブレーキを積極的に活用するようにしましょう。
車速が置くなるほど、転倒などによって体に加わるダメージを低く抑えることができます。

もしも障害物に衝突しそうになったら、できる限り車速を抑えるようにしましょう。
スリップしないように、ブレーキは前後に対して同時にかけることが大切です。

またABSを装着しているバイクであれば、ためらうことなく全力でブレーキをかけてください。
ブレーキをかければ体へのダメージが加わりにくくなり、頭部や胸部を打っても衝撃を低く抑えられます。

体を丸めて転がるようにする

もしもバイク同士や障害物と衝突してしまったら、できるだけ体を丸めて転がるようにしましょう。
転倒するのを防ぐために、手足で踏ん張ろうとすると骨折や脱臼などを引き起こしてしまう恐れがあります。

転倒したら、転がってしまうかもしれません。
その時には無理に体の動きを止めようとするのではなく、自然の動きに身を任せるようにしましょう。
転倒をしたときにはなかなか冷静に判断することは難しいものですが、無理をせず体を丸めることを意識してみることが大切です。

早めに家を出るようにすることも大事

バイクの事故が起こりやすい時刻として、出勤時が挙げられます。
出勤をする時刻になると慌ててしまうので、ついバイクに乗っているときでもスピードを出そうとしてしまいます。

スピードを出して運転をすると、交通事故時に大きなけがをしてしまう恐れがあります。
このような状態を防ぐためには、安全運転を心がけることが大切です。

早めに家を出れば、スピードを出すことなく運転しようと思うことでしょう。
遅刻をしないために、できるだけ早めに家を出る習慣を身につけると安全運転に繋がります。

バイクは致死率が高いからこそ安全運転

バイクの致死率は高いので要注意

自動車に比べて体が保護されてない状態でドライブをするバイクは、交通事故に遭ってしまうと大きなけがを負ってしまう可能性があります。
そのため、日々のドライブでは安全運転を心がける必要があります。

2021年において、東京都内での交通事故による死者数は133人となっています。
このうち原動機付自転車を含め、乗車中の交通事故による死者数は35人でした。
これは全体の約26パーセントを占めており、全国平均である17パーセント程度よりもはるかに高くなっています。

バイクによる交通事故のうち、予想外に多くの方が亡くなっているのが事実です。
大きな事故によって命を失うことがないように、毎回バイクを乗るときに安全運転をしっかりと意識することが大切です。

通勤時の事故が半数

バイクによる交通事故は、いろんなときに起こるものです。
単に夜間の暗いときに事故が起こりやすいとは言えず、常に安全運転を心がける必要があります。

2021年では、通勤時にバイクによる死亡事故が多く起こっています。
事故のうち半数以上が通勤時に起こっており、早く出勤をしなければという焦りが事故を生んでいると思われます。

通勤時には焦りながらバイクを運転する方が多いため、お互いに焦らずに運転をすることが何よりも大切です。
また交通事故を未然に防ぐため、できるだけ早めに自宅を出ることが大切です。
余裕を持って自宅を出ることで、速度を抑えながらリラックスして運転することができるからです。

季節を問わず死亡事故が多い

2021年については、「2月」「4月」「7月」「12月」が特に死亡事故が多くなっています。
これらを見てみると、季節に関係なくどんな時期でも交通事故によって命を落とす方と言えるでしょう。

路面凍結によるスリップが起こりやすい冬場の時期だけではなく、暖かい7月であってもバイクによる死亡事故が起こります。
また年代別に注目してみると、50代が最も多くなっています。

認知症などの不安がない年代と言われている50代が最も多く、日頃から周囲に対して冷静な目で確認することが求められると言えます。
また、スピードを出さないようにしつつ運転をする必要があります。
ちなみに50代の次に死亡者数が多いのは、30代と60代です。

頭部の損傷が最も大きな死亡原因

バイクによる交通事故で命を落とすケースでは、頭部の損傷によるものが最も多くなっています。
脳を保護する頭部に強い衝撃を受けてしまうと、死亡事故につながりやすいことがわかります。
頭部以外では、胸部や腹部に対する衝撃が脂肪に繋がりやすいという結果になっています。

注意したい点として、2021年に発生したバイクによる死亡時のうち、約37パーセントが事故時にヘルメットが落ちていたという部分です。
事故によって亡くならないためには、ヘルメットの紐をしっかりと締めることが大切だと言えます。

首を守ってくれるネックブレース

首を保護する優れモノ

バイクで道路上を爽快な気分で走っていると、あまりスピードが出てないように思うかもしれません。
しかし転倒してしまうと、体に大きなダメージを与えてしまいます。
その時にネックブレース を着用すると、大切な首を守ることができます。

交通事故によって首にダメージが加わると、骨折をする可能性もあります。
首は非常に重要な部位なので、交通事故に備えて対策を打っておく必要があります。
ネックブレース があれば転倒時の首へのダメージを最小限に抑えることができます。

もしも転倒した場合には、ヘルメットがネックブレース に干渉して首にかかる負担が減ります。
もともとはオフロードバイクを運転するときに使用することを推奨されていたアイテムですが、現在では街中の運転時でも着用が推奨されています。

進化しつつあるネックブレース

ネックブレース にも歴史があり、以前に販売されていたタイプは使いづらさが大きな難点でした。
首を囲み、動かないように固定するタイプが一般的でした。

ドーナツとも呼ばれるタイプで、首が動きにくくなってストレスを感じていた方もいることでしょう。
しかし最近では首の動きを妨げず、体への負担を最小限に抑えたタイプも登場しています

使い勝手が良いタイプが登場したことによって、街乗りであってもネックブレース が推奨されるようになったと言えます。
使い勝手が良くなったネックブレース ではありますが、価格などの問題点も実際にはあります。
誰もが装着しないのは、高いなどの理由もあるようです。

価格の面でデメリットが大きい

首をケガしてしまうと、日常生活や仕事に大きな影響を与えてしまう恐れがあります。
首のケガを最小限に抑えるために、ネックブレース を使うことはとてもいい方法だと言えます。
しかしバイクファンの多くが着用しておらず、なかなか普及はスムーズに進んでいません。

理由はいくつか考えられますが、最も大きな問題点は価格だと言えます。
どのモデルであっても数千円どころではなく、数万円払う必要があります。

ネックブレース がなくてもバイクの運転自体には大きな支障をきたすことはないため、わざわざ数万円を払ってまでネックブレース を購入しようと思う方も少ないのではないでしょうか。
もっと価格が下がれば、普及も進んでいくのではないかと思います。

見た目の悪さも購入したくない理由

価格が高いという大きな問題点の他に、ネックブレース の普及が進まない理由として見た目の悪さも挙げられます。
ネックブレース はごつごつしており、装着すると不格好に見えてしまいます。
スタイリッシュな形とデザインの商品が発売されれば、購入したいと思うバイクファンも増えていくことでしょう。

また着用すると首が動かしにくくなるので、ストレスを感じながら運転をすることになってしまいます。
この点については、何度も使用することで徐々に慣れていくことでしょう。

事故で入院した場合に請求する慰謝料と損害金について

慰謝料とは何なのか、意外とわからないことは多い

一般的によく耳にする言葉で、「慰謝料」という言葉があります。
よく聞く言葉ではあるものの、どのようなものなのかしっかりと理解している人はあまりいません。
何となくこういうお金じゃないのということはわかる人はいても、きちんと理解している人は少ないのです。

ただ、バイク生活を充実させる上で、慰謝料について知識を持っておくことはとても大切です。
慰謝料はバイクの事故に関する費用として発生するもので、事故は「自分は大丈夫」と思っていてもふとしたときに起きてしまうものだからです。
そのため、前もってきちんと知識を準備しておくことで、慌てずに対応することができます。

慰謝料とは、簡単に説明するとバイクで事故を起こしてしまった場合に請求するお金です。
自分に過失の無い事故であれば受け取る側になりますが、事故の状況によっては自分が支払う場合もあります。
このとき手元に資金がないと、慰謝料を払えず苦労してしまうことがあります。
比較的支払いやすい金額であれば問題ありませんが、場合によっては非常に高額になってしまい、自分だけでは支払い切れないほどの金額になることもあります。

慰謝料について勉強したからといって、すぐにバイクライフがとても楽しくなるわけではありません。
実際は、知識をつけてもそれほど変わらない生活の場合がほとんどです。
ただ、慰謝料についての知識は保険のようなものであり、万が一に備えるためのものです。
これを知っておくかどうかではいざというときに大きな差があるため、勉強しておくほうがおすすめです。

ライダーによっては、勉強が苦手で慰謝料など法律関連の用語についても「自分は関係ない」と考えて避けてしまうことがあります。
しかしこれは、とてももったいないことです。
慰謝料についてはきちんと学べば誰でも理解できるため、自分だけでなく周りの仲間にも教えてあげると良いでしょう。

損害金についても、合わせて理解しておく

慰謝料に関係することが多いお金として、損害金というものがあります。
損害金は、バイク事故の被害者が事故を起こした人に対して請求するお金のことです。

慰謝料は損害金の一部と考えることができ、区別しておくことが大切です。
人によっては慰謝料等損害金を混同してしまうことがありますが、このようにはっきりと違うため、理解しておきましょう。

示談交渉で金額が決まる

損害金や慰謝料の金額がどれぐらいになるかは、基本的に示談交渉という交渉で決まります。
これは保険会社が行ってくれることがあるため、加入しているバイク保険の保険会社に確認をしておくと良いでしょう。
以上のように、慰謝料や損害金についてはしっかりと知識をつけておくことが大切です。

バイク事故に多い右直事故

右直事故とはどのような事故なのか

バイクに乗っているとときどき起こる事故として、右直事故という事故があります。
これはあまり聞いたことがないかもしれませんが、右折する車と直進する車が衝突して起きる事故です。

バイクに乗っているときは基本的に左側走行をしますが、このとき前方から車が右折して曲がってくることがあります。
きちんと注意して走行していれば事故を防ぐことができますが、場合よっては視界が悪くなってしまうこともあり、事故が起きやすい状況といえます。

右直事故はライダーにとって注意しておくべき事故であり、前もって知識を持っておく必要があります。
運転技術やメンテナンスについての知識を持っていても、事故についての知識をあまり持っていないライダーはよくいます。
万が一のために準備しておくことは大切なため、ここで右直事故についてしっかりと理解しておきましょう。

安全確認を怠ってしまうのが主な原因

右直事故は前述したように、きちんと前方を確認していれば防ぐことができます。
ただバイクに乗って走行すると前傾姿勢になりやすく、視界も必然的に少し下向きになってしまうことがよくあります。

またバイクに乗っていると風が強いこともあり、これも視界を遮られてしまう原因です。
風が強いと前を見るのが難しくなってしまい、つい少し下向き加減になりやすいです。
これによって前方の視界不良になりやすく、右直事故につながってしまいます。

そのためバイクで走行するときには、こうしたことが起こりやすいことを意識して、なるべく前を見るようにして走行するようにしましょう。
また、特に交差点などは前方をしっかりと確認するように気をつけて、右折する車などが来ないかを確認しましょう。
こうして意識するだけでも、事故のリスクを大きく下げることができます。
気をつけないと簡単に事故が起こりやすくなってしまうため、十分に気をつけましょう。

右直事故の過失割合も理解しておく

右直事故を起こしてしまった場合、当事者となるライダーに過失が生じることになります。
事故起こしたときには過失割合というものがあり、事故を起こした側と起こされた側がそれぞれどれぐらいの責任があるかが変わります。
一般的な右直事故では、30:70や50:50の場合が多いです。
これぐらいの過失割合であることを覚えておくと良いでしょう。

ただし事故の状況によっては、上記の過失割合が大きく変わることもあります。
内容によっては0:100と言う過失割合の場合もあるため、上の数字はあくまでも参考と考えてください。

以上のように、右直事故は気をつけておくべきポイントがたくさんあります。
ぜひ押さえておきましょう。

タイヤがパンクした時の対処法

パンクしたら、まずは路肩へ移動する

バイクに乗っていると、タイヤがパンクしてしまうことがあります。
このときにまずするべきことは、「バイクを路肩へ移動させる」ということです。

そのままの場所で停車したままにすると、後続車に迷惑をかけてしまうことになります。
車線が1本しかない場合は他の車が前に進めず、クラクションを鳴らす人もいるはずです。
また、2車線や3車線であっても1車線を塞いでしまうことには変わりなく、自分が大きな障害となってしまいます。

そのため路肩へ素早く移動する必要がありますが、このときには道路の交通状況をしっかり確認する必要があります。
他の車はあなたを待ってくれるかもしれませんが、人によっては気にせず走り続けることがあります。
このとき不用意に移動しようとすると更なる事故につながる可能性もあり、最悪の場合はあなたに命の危険がある場合もあります。

そのため慌てずに必ず周囲を確認して、車通りがないタイミングを狙って移動しましょう。

パンクの原因が何なのかを突き止める

路肩へ移動したら次にやるべきことは、「パンクの原因が何なのかを調べること」です。
パンクは何もしないのに起こることはなく、必ず原因があります。
道路に何か針や尖ったような物があったのか、タイヤの空気圧が下がっていたのか、タイヤが劣化していたのかなど、思い当たることを考えてみてください。

タイヤに問題がなさそうなら、走行していた道路に落ちていた物がタイヤに刺さってしまった可能性があります。
もし確認したり考えたりしても分からない場合は、ガソリンスタンドなどで相談しましょう。

また、もしタイヤにガラスなどが刺さってしまっている場合、それは無理に抜こうとせず、そのままにしておく方が良いことが多いです。
つい抜いてしまいたくなりますが、これは穴を余計に広げるなどしてさらに状況を悪化させてしまう可能性があるため、おすすめしません。

ガソリンスタンドなどで相談する際に必要な情報となりますから、タイヤの種類も把握しておくと良いでしょう。

タイヤがパンクしたときの対処法は、ロードサービスを利用する

タイヤがパンクしてしまった場合、近くにガソリンスタンドがあればそこに行くと良いですが、もし見当たらない場合はロードサービスに電話をしましょう。
バイクを購入するときには保険に加入することが多く、バイク保険にはロードサービスが付帯しています。
電話をするとレッカー車などを手配してくれて、もし帰れない場合はホテルの宿泊費や交通費を負担してくれることもあります。

ロードサービスは普段はあまり使う機会がないため、内容を忘れてしまいがちです。
もしものときに備えて、保険の内容やロードサービスがどのようなことに対応してくれるのかを確認しておくのをおすすめします。

押し歩きのコツと注意点

押し歩きとは、バイクを押して歩くこと

バイクは基本的に乗って走るものですが、場合によっては押して歩く必要があることもあります。
ガソリンが切れてしまったり、バッテリーが上がってしまってエンジンがかからなくなってしまったりした場合、近くのバイクショップやガソリンスタンドまで押していくことがあります。
バイクを押して進めることを「押し歩き」と呼び、どのようなコツがあるかを知っておくことは大切です。

トラブルはいつ起きるか分からず、場合によってはかなり長い距離を押し歩きする必要があることもあります。
こうしたときに正しい方法を知らないと、体力ばかり消耗してバイクがあまり進まないこともあります。

玄人のライダーはこうしたトラブルの対処法も熟知していますが、初心者のライダーはあまり知らないことが多いです。
しかし故障などが起きてからでは遅いため、前もって学んでおきましょう。

押し歩きをするときのコツ

押し歩きをするときのコツは、「手で押すのではなく、脚を使う」ということです。
体力を大きく消耗してしまう押し方は、手を体から遠ざけるようにして押す方法です。
これでは腕が疲れやすく、長距離や長い時間を押しているとかなり大変です。

こうした事態を避けるには、手はバイクを支えるだけにして、歩くことで進むようにすることが大切です。
そのためには、まず体とバイクをなるべく近づけることが大切です。
これによって体を使ってバイクを押しやすくなり、手に無駄な力を入れる必要がなくなります。

これまで疲れてバイクを押し進めることができなくなることがあった場合、まずは自分とバイクの距離を見直してみてください。
遠いと感じるようなら、これからはなるべく密着するような状態で押すようにしましょう。

次に、バイクの車体はなるべく地面に垂直になるように立てることが大切です。
これによってバイクの重量が体にかからず、負担が軽くなります。
バイクのバランスを上手く保つと、手を添えるだけで良くなります。
あとはバイクを支えながら歩けば、比較的楽に押し歩きができるはずです。

坂道での押し歩きは注意が必要

押し歩きは上のようにコツがあり、きちんと押さえることで上手く進めることができます。
ただ、坂道を押し歩きするときは注意が必要です。
上り坂ではどうしてもバイクの重量が自分にのしかかりやすく、下り坂では逆にバイクがどんどん下ってしまいやすいです。
そのため体を使ってバイクを支えながら、なるべくゆっくり進みましょう。
また、できれば坂道をなるべく通らずに進むほうが、初心者は楽なはずです。

以上のように押し歩きはライダーにとって必要な技術のため、運転の仕方と合わせて理解しておきましょう。

単独事故ってなに?単独事故をおこした際の対処法

公道での単独事故も警察へ連絡が必要

単独事故とは、本人に100パーセントの過失や責任があり、事故当事者が自分のみで相手方が存在しないケースをいいます。
例えば、クルマをガードレールや電柱にあてたケース等の自損事故が当てはまります。

自宅敷地内などでの事故は自分の所有物に対する損害であり、警察への届け出は必要ありませんが、市道などの公道で発生した単独事故は警察への連絡が義務付けられます。
単独事故の連絡は非常に単純で、現場から警察に電話して事故が発生した旨と場所、被害の状況、単独事故後に取った周辺の安全措置を伝えます。
警察が到着して確認すれば終了します。

単独事故で警察へ連絡をしない場合のリスク

単独事故の当事者が、警察に連絡せずに黙って立ち去る場合もあると思われますがこの場合、報告義務に反しているというのみならず、後々面倒ですので必ず届け出ましょう。
近年は、監視カメラの設置やドライブレコーダー搭載車も多く、容易に事故当事者が見つけられてしまいます。
その場合、スタート時点から警察の印象は悪いのでやましい事情があるのではないかと疑いをかけられて捜査がスタートするという事になります。

特になぜその場を立ち去ったかについては、飲酒運転など悪質な行為があったのではないかという疑いからスタートするためいたって愉快なモノではありません。
また、実質的な損失として、保険会社にクルマの修理代や治療代を請求する際に必要な警察が発行する証明書類が出されずに、保険請求が出来ない場合があります。

警察に届出さえ出しておけば、ガードレールや道路標識の損害について物損の賠償請求を受けた場合でも、保険会社が証明書を取るなど手続きが可能で解決がスムーズです。
自宅の車庫入り口で車体を擦ったなどの、保険金請求を断念する覚悟のできる場合では届出は必要ないでしょう。
しかしガードレールや標識などの公共物を損壊した場合は、その後の問題を円滑に解決するため、警察への連絡は必須事項です。

現場の安全確保とバイクの移動

バイクの単独事故の特徴として、事故発生時に転倒しライダー自身も負傷する場合が多いという事が挙げられます。
転倒して、自力で起きられないような場合は周囲の方が警察や消防に連絡してくれるのを待つほかはありません。
事故後大事なことは2次事故を防ぐ事ですので、自力で動ける場合は冷静に周囲の状況を確認して、自分のバイクがクルマの通行の邪魔になっていないかチェックします。

もし邪魔になっている場合は安全を確保しつつ路肩などに移動させたり、後続車に注意喚起を促したりするようにします。
見通しの悪いカーブで転倒した場合などは、後続車が気付きにくいため危険です。
全てを一人で対応するのが困難と判断すれば無理をせず、速やかに警察や消防に通報しましょう。
事故防止の対策をとったのち自分も負傷を負っていれば診察を受けておきましょう。

物損事故と人身事故の違いは?

人身事故と物損事故の相違点と判断方法

「物損事故」は、物的な損害のみ発生した事故で、例えばクルマの破損、ブロック塀の損壊などが挙げられます。
対する「人身事故」は、交通事故を起因として被害者が死傷した事故を指します。
物損が生じて、人も死傷すれば人身事故となります。
つまり、2者の区分は、人身は人の命や体に損失を与える事故で、物損はモノのみが損壊し人はケガを負わないという事です。

加害者が事故を物損にしたがる理由

交通事故が発生した場合、加害者サイドは物損事故の扱いにしたがる傾向が見られます。
その理由は物損扱いにすることにより、加害者に複数のメリットが生じるからです。

第1点として、物損事故のケースでは、原則として加害者は免許の点数が加算されないのに比べ、人身事故のケースでは加算が逃れられません。
無事故・無違反が1年以上継続すれば点数は消えるのですが、累積点数が、6点以上になれば免許停止、15点以上になれば免許取り消しという厳しい処分が下されるのです。

第2点として、人身の場合には業務上過失傷害罪など罪に問われる恐れがありますが、物損扱いの場合、加害者は基本的に刑事罰を受けなくて済みます。

第3点目として、物損扱いとなれば、加害者サイドが支払う賠償金額は少なくて済みます。
具体的には物損のケースでは、慰謝料の概念がないことに加え、後遺障害もないため、示談交渉も短期間で簡単に終了します。

このように、物損扱いにしてしまえば、加害者にとって事故後の負担が小さくなり、メリットが大きいのです。
特に物損扱いにしたがる傾向にある加害者としてタクシーやトラックのドライバーが挙げられます。
それは、事故処理に対する知識が豊富で、物損扱いが有利であることをよく知っているからです。
悪質な場合は、被害者が救急車で搬送されたにも関わらず、ケガの程度が軽ければ治療費は払うから物損扱いで……と加害者に依頼することもあります。
タクシーやトラックのドライバーの場合、人身事故で点数が加算され免許がなくなれば仕事を失う事にもつながりかねませんので、気持ちはわからないわけではありませんが……。

交通事故を物損扱いとした場合の被害者のデメリット

交通事故を物損扱いにしてしまった場合、被害者にはデメリットが複数あり、事故でケガを負った場合には、人身事故として届け出なければいけません。
一旦届ければ、基本的には人身事故から物損に取り扱いを変更する事は出来ません。

物損扱いの大きなデメリットは、事故を起因としてケガをした場合でも賠償金額が著しく少額なモノになってしまう事です。
物損扱いでは、クルマの修理代程度が支払われる程度で、治療費や後遺障害が生じた際の慰謝料、逸失利益が支払われません。

特に問題となるのは、物損は自賠責保険の対象とならない事です。
物損扱いの場合は自賠責保険が機能しないため、相手の任意保険、それに加入していなければ相手との交渉で物的損害の金額を払ってもらわなくてはいけない事です。