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物損事故と人身事故の違いは?

人身事故と物損事故の相違点と判断方法

「物損事故」は、物的な損害のみ発生した事故で、例えばクルマの破損、ブロック塀の損壊などが挙げられます。
対する「人身事故」は、交通事故を起因として被害者が死傷した事故を指します。
物損が生じて、人も死傷すれば人身事故となります。
つまり、2者の区分は、人身は人の命や体に損失を与える事故で、物損はモノのみが損壊し人はケガを負わないという事です。

加害者が事故を物損にしたがる理由

交通事故が発生した場合、加害者サイドは物損事故の扱いにしたがる傾向が見られます。
その理由は物損扱いにすることにより、加害者に複数のメリットが生じるからです。

第1点として、物損事故のケースでは、原則として加害者は免許の点数が加算されないのに比べ、人身事故のケースでは加算が逃れられません。
無事故・無違反が1年以上継続すれば点数は消えるのですが、累積点数が、6点以上になれば免許停止、15点以上になれば免許取り消しという厳しい処分が下されるのです。

第2点として、人身の場合には業務上過失傷害罪など罪に問われる恐れがありますが、物損扱いの場合、加害者は基本的に刑事罰を受けなくて済みます。

第3点目として、物損扱いとなれば、加害者サイドが支払う賠償金額は少なくて済みます。
具体的には物損のケースでは、慰謝料の概念がないことに加え、後遺障害もないため、示談交渉も短期間で簡単に終了します。

このように、物損扱いにしてしまえば、加害者にとって事故後の負担が小さくなり、メリットが大きいのです。
特に物損扱いにしたがる傾向にある加害者としてタクシーやトラックのドライバーが挙げられます。
それは、事故処理に対する知識が豊富で、物損扱いが有利であることをよく知っているからです。
悪質な場合は、被害者が救急車で搬送されたにも関わらず、ケガの程度が軽ければ治療費は払うから物損扱いで……と加害者に依頼することもあります。
タクシーやトラックのドライバーの場合、人身事故で点数が加算され免許がなくなれば仕事を失う事にもつながりかねませんので、気持ちはわからないわけではありませんが……。

交通事故を物損扱いとした場合の被害者のデメリット

交通事故を物損扱いにしてしまった場合、被害者にはデメリットが複数あり、事故でケガを負った場合には、人身事故として届け出なければいけません。
一旦届ければ、基本的には人身事故から物損に取り扱いを変更する事は出来ません。

物損扱いの大きなデメリットは、事故を起因としてケガをした場合でも賠償金額が著しく少額なモノになってしまう事です。
物損扱いでは、クルマの修理代程度が支払われる程度で、治療費や後遺障害が生じた際の慰謝料、逸失利益が支払われません。

特に問題となるのは、物損は自賠責保険の対象とならない事です。
物損扱いの場合は自賠責保険が機能しないため、相手の任意保険、それに加入していなければ相手との交渉で物的損害の金額を払ってもらわなくてはいけない事です。

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