バイク・ドライビングテクニック~後ろに人を乗せて走る~

二人乗りのルール

バイクのタンデム走行は誰でもできるわけではありません。
まずは、道路交通法の規定による制限があります。
一般道路を走行する場合は、20歳以上で、かつ、自動二輪免許を取得してから1年以上のドライビング経験が必要です。
また、平成17年の4月から解禁になった高速道路のタンデム走行は3年以上の経験が求められています。

二人乗りというのはいとも簡単にできるように思えるかもしれませんが、このように規定が設けられているのですから、高度な運転能力とテクニックが必要ということがお分かりいただけるでしょう。
自転車においてもそうですが、二人乗りをしようとなると、後ろに乗る人の体重や乗り方によってバランスが崩れます。
二人乗りをしようとしてもうまくいかずに、あきらめた経験がある人もいるかもしれません。
これはバイクにおいても同様で、エンジンの力があるとはいえ、体でバランスをとって走る乗り物である以上、後ろに人を乗せるにはテクニックを要します。

後ろに乗る人も技術が必要

また、ドライバーだけでなく、パッセンジャーと呼ばれる後ろに乗る人もバイクの構造や乗り方をある程度理解して、協力をしないと危険が伴うため注意しましょう。
まず、乗る際にはドライバーはハンドルをしっかり握って、安定した姿勢を整えたうえで、パッセンジャーに乗るよう声をかけます。
また、お互いに乗る合図や降りる合図をしあうことも、転倒防止のためには不可欠です。

スタート時点はドライバーは右足をステップ、左足を地面に置いた姿勢から始まり、加速が始まったら、パッセンジャーはドライバーの腰を足でしっかり挟まなければなりません。
手はドライバーのベルトやタンデムバーをつかんで、体重を支えるようにしましょう。
この姿勢は加速時だけでなく、減速する際も大切になります。

タンデム走行の場合は、コーナリングで息を合わせることも大切になります。
単独走行より重量が重いため、バランスが崩れると転倒にもつながりかねません。
カーブに差し掛かるときは、ドライバーはパッセンジャーに合図を送ったり、声をかけたりしたうえで、十分に減速してコーナーに臨みます。
基本的な姿勢としてはドライバーの肩がハンドルと平行に位置するようにし、パッセンジャーはコーナーではよりいっそうホールドを強くします。
後ろに座るパッセンジャーはコーナーで恐怖を感じることがあるので、ドライバーの肩越しに前を見るように心がけましょう。
ドライバーが傾けば、パッセンジャーも同様に傾くことが鉄則になります。
反対方向に傾いたり、後方にのけぞるような姿勢を取ったりすると、最悪の場合コーナー走行中に放り出されるリスクもあるためです。

雪道の走行で注意すべきこと

タイヤを変える

車の場合、スノータイヤやチェーンを付けることで雪道を走ることが可能になります。
しかし、バイクの場合は雪道どころか、冬場の凍結した路面さえ大きな危険を伴います。
4輪の安定感ある車ですら普通のタイヤでは大事故に繋がる危険があるのですから、無理してバイクを雪道で走らせないのが基本です。
もっとも、冬眠ライダーになるのは嫌だと思う人もいるでしょう。
では、雪の多い地方のライダーはどうしているのでしょうか。

積雪のある雪国では、都心部では見かけないバイク用のスノータイヤやチェーンが販売されています。
ただし、適用できるのは、スーパーカブやジャイロなどの車種に限られています。
チェーンの一部はオフロード車に対応するほか、特別に制作を手掛けてくれるケースもあるようです。

また、125cc以下のバイクであれば、スパイクタイヤを手に入れることも可能です。
もっとも、雪道でも走行や停止が可能になるだけで、普段のようにバイクをバンクして曲がることはできません。
そのため、バイクをバンクさせずに両足を着いて曲がるというテクニックを体得する必要があります。
都心部でもインターネットなど積雪地帯のショップから手に入れることは可能であるものの、雪がよほど積もらない限り、凍結路面やうっすら雪が降っている程度の状態でスパイクタイヤやチェーンをつけることは、かえって危険な場合があるので注意しましょう。

バイクの種類と走りやすさ

それでも雪道を走る必要がある場合、バイクの種類によっても走りやすさが変わってきます。
最も走りやすいのは、実は大きなバイクより50cc~125cc程度の軽くて足着きがいいオフロード車です。
なぜなら、車体をバンクしなくても両足を着きながら曲がることが可能だからです。
逆に言えば、車体が自立できずバンクさせないと曲がれない大型のバイク等は、雪道は避けたほうが賢明でしょう。
特にロードスポーツバイクや400cc以上のオンロードモデルは、安全性を優先して雪道走行はあきらめるのが望ましいです。
排気量の大きなバイクで、どうにか走れそうなのは、ブロックタイヤを履いたオフロード系モデルにとどまるでしょう。

路面の状態も重要

なお、路面状態によっても走りやすさは違います。
たとえば、雪が軽く振ったばかりの時や、少し溶けてシャーベット状態にある場合は、気を付ければロードタイヤ車でもどうにか走ることができるかもしれません。
ですが、大きく積もったり、雪が厚く踏み固まったりした状態になると、オフロードタイヤでないとまず無理です。
さらに雪道より恐いのが凍結路面で、このケースではオフロードタイヤでも危険を伴います。

こうしたタイヤや雪道の状態から走行可能かを見極めたうえで、走れると判断した場合でも徹底的にスピードを落としてください。
時速10キロというのろのろ運転が理想です。
後ろから車がきても焦ってはいけません。
常に両足をステップの下において、危険を感じたら直ぐに足が着けるようにしておきます。
停車時は安全のためフロントブレーキではなく、エンジンブレーキかリアブレーキを利用しましょう。

高速道路で気をつけるドライビングテクニック

コーナリングが大事

高速道路で気をつけたいバイクのドライビングテクニックにおいて、基本となるのは丁寧な操作と上手くリズムに乗りスムーズに乗りこなすことです。
高速を走るぞと気合が入りすぎて、力んでしまう方もいるかもしれません。

周囲の車に安心を与えるためにも、力を抜いて優雅なライディングスタイルを心がけ、スロットルやブレーキなどひとつひとつの操作を丁寧に、柔らかく無駄がない動き、バイクに身を任せるようなドライビングがポイントになるのではないでしょうか。
高速道路というとスピードに任せて直線を走るイメージが持たれがちですが、実際にはコーナリングの機会が多く訪れます。

コーナリングでは車体を寝かせるように傾けバンクするマシンと一体になり、遠心力に身を任せる必要があります。
バイクライディングの醍醐味とも言うべき瞬間ではありますが、優雅で安全なコーナリングを行うにはテクニックが求められるのです。

特に高速道路では後続車がスピードを出して押し寄せてきます。
万が一失敗すれば大事故にも繋がりかねません。
コーナリングのテクニックでカギを握っているのは、速度コントロールということをご存知でしょうか。
コーナーの手前で、訪れるコーナーに見合った速度に持っていくこと、即座にそのコーナーに適応した速度を予測することがポイントとなります。

コーナリング技術解説

コーナリングのポジションを分解するとブレーキング、倒し込み、旋回、立ち上がりに分けることができるでしょう。
速度を見積もるうえで重要になるのは、コーナーに向けてアプローチしていく最初の部分ブレーキングになります。

もし、速度の予測を誤り進入する速度が速すぎるとどうなるでしょうか。
コーナーの途中でラインが膨らみ恐い思いをすることでしょう。
逆に速度が遅すぎれば失速し、車体がフラついたり、思いどおりのラインが描けないという状態に陥るかもしれません。

そこで、重要なカギを握るブレーキングはコーナー直前で強くかけるのではなく、かなり手前から行い、余裕を持って減速をする必要があります。
ブレーキングは長く一定に行い、穏やかにリリースすることで安全でスマートなコーナリングのテクニックが身に付くはずです。

なお、コーナリングのドライビングテクニックではバイクのタイプによっても、多少工夫する必要があります。
クルーザータイプの場合はシートのやや後方かバックレストに尻を押しつけながら、前下方向へとイン側ステップを踏み込んでみてください。
ハンドルをやや外側に切る逆操舵テクニックも組み合わせると、軽快にコーナリングが決まるでしょう。

デュアルパーパスモデルの場合は外足ホールドをきっちり決めて、リーンウィズで内ヒザを開かないほうが安定して旋回できます。

でこぼこ道でのドライビングテクニック

肘膝を楽に

でこぼこ道でのバイクのテクニックは、膝や肘を楽にして乗る事です。

バイクに乗る時にはニーグリップをして体とバイクを一体にして乗るのが基本ですが、それは通常の道の場合です。
オフロードのレースを見たら分かりますが、ボコボコしている所では大体みんな腰を浮かして乗っています。
それはバイクの衝撃が体に伝わらないように体を浮かせて、膝や肘で上手に衝撃を和らげているのです。

オフロードバイクででこぼこの道を走る時には、少し腰を浮かせるくらいの気持ちで走ると良いでしょう。
オフロードバイクでしたら車体も軽いですし、そういう乗り方をしても制御出来るはずです。
通常のオンロードのバイクでしたら腰を浮かせて乗るのは危険ですので、通常通りシートに座ったまま運転をしてください。
そしてなるべく膝や肘が楽になるような状態で乗り、でこぼこ道を走っても衝撃がダイレクトに伝わらないようにしてください。

でこぼこ道だからと言って、転倒しないようにガチガチに体を固めて運転する方が居ますが、それは逆効果です。
バイクにしがみつくように乗っていると、ちょっとタイヤがすべるくらいで転倒してしまいます。
膝や肘に余裕がある状態で乗っていれば、体が自然とバランスを取ってくれますし、多少バイクがぶれたとしても修正する事が出来るでしょう。

バイクにサスペンションがあるのは衝撃を吸収する為です。
人間の体には膝や肘がサスペンションの機能を果たしていますので、でこぼこ道で体に衝撃が伝わるような時には、膝や肘を活かすような乗り方をしてください。

突然のでこぼこ道も大丈夫

でこぼこ道を走ると事前に分かっている時には、事前にその対処をして走る事が出来ますが、問題なのは急に道がでこぼこになっている時です。
一般道ではアスファルトの道でもよくでこぼこになっています。

大きなトラックが通るような所では轍が出来ていたりしますし、道路工事を良くするような所では切ったり貼ったりした結果、道路の表面がでこぼこになっている事があります。
そういう所をバイクで走ると、急に路面状態が変わりますので、タイヤが取られて転倒するのも良くあるパターンです。

それを防ぐには、いつ道路がでこぼこになっても良いような運転をしましょう。
ちょっとしたでこぼこでしたら肘に余裕があれば上半身で対処出来ます。

膝はしっかりとニーグリップをして車体と体を固定させたまま、肘と上半身で多少の衝撃になら対処する事も出来るので、肘は常に余裕のある状態でいつも運転をする事が大切です。
バイクででこぼこ道を運転する時のテクニックは、肘と膝を上手に使う事がポイントです。

すり抜けについて

すり抜けは違反!?

バイクのすり抜けは避けたほうが安全ではありますが、バイクの機能性を活かすためには、すり抜けしたい場面もあるでしょう。

すり抜けは道交法では違反となりますが、これが原因で検挙されることは少なく、黙認されていることが多いのが現状です。
ただ、注意するべきポイントももちろんあります。

まずオレンジの線をはみ出て追い越すような場合です。
オレンジの線は「追い越し禁止」を意味しますから、もし追い越すときは線をはみ出さないようにしなければいけません。
ウインカーの不履行にも注意が必要です。

進路変更する際には、3秒前にウインカーを出さないといけない決まりになっています。
ジグザグ運転をするような場合、進路変更の3秒前にウインカーを出すことは無理なはずです。
すり抜けには危険性もありますが、渋滞しても一定のペースで移動できるというバイクの機動性を活かせる行為であることは確かです。

すり抜けの際の注意点

渋滞に巻き込まれると移動に時間がかかるばかりでなく、燃費も大幅に悪化してしまいます。
止まっていてもエンジンが回転しているだけでガソリンを消費するのです。
特にエンジンの大きなビッグバイクほど、アイドリング時の燃料消費は激しくなりますので、すり抜けによる燃費節約効果は大きくなるわけです。

とはいえ、やはりすり抜けには危険を伴いますから、なるべく安全な方法で行うべきでしょう。
安全にすり抜けするためには、走行中にジグザグ運転をするのではなく、信号でストップしているときに車両の先頭まで出る方法が安全です。

この場合は、車の左側を通過して先頭まで出る方法が一般的ですが、車のドアが急に開くことがあるので注意が必要です。
走行中の交差点付近でのすり抜けは、車が予想外の動きをしてバイクが巻き込まれてしまうおそれがあるので注意してください。

左折での巻き込みは特に多いので、左折するときは車の動きに注意を払ってください。
ドライバーの多くはバイクを運転したことがありませんので、まさか車の横を急にバイクが走り抜けていくとは考えていません。

バイクの少ない地域ほど、ドライバーはバイクはいないと思って運転しているので気をつけるべきでしょう。
ちなみに、頻繁にすり抜けをする方の場合は、バイクは水冷エンジンにしたほうがいいでしょう。
空冷は空気で冷やす機能であり、水冷よりもコストが安くなるというメリットがありますが、渋滞に巻き込まれるとオーバーヒートしやすくなります。
エンジンを冷やす機能は、水冷のほうが圧倒的に優れています。

オフロードバイクのドライビングテクニックについて

皆さんは、オフロードバイクというのをご存知でしょうか。
オフロードバイクというのは、文字通りオフロード、つまり未舗装の道がしっかりとない所を走るために生まれたバイクのことです。
他のバイクと決定的に違うのは、まずはサスペンションです。
他のバイクと違い、オフロードのバイクのサスペンションは、衝撃吸収度がかなり違います。
そして、車体の重さもかなり軽いです。
ですので、ちょっとした山などがあると、思いっきりジャンプできるほど軽いものになります。
では、今回は、そんなオフロードバイクのドライビングテクニックについてです。
まずは走る前に、乗ることから始めます。
オフロードを走る時は、基本的にシートには座りません。
もちろん、ちゃんとシートは付いていますのでご安心を、
では、なぜ座らないのでしょうか。
例えば、石がごろごろしているような路面や、段差があるような路面で、もし座っている状態の場合、どうなるでしょうか。
座っている状態のままでは、お尻がぼよんぼよん跳ね上げられて、安定性を損なってしまいます。
まるでロデオのような状態になってしまってますね。とても走れたものではありません一方、スタンディングの状態であれば、足首やひざ、あるいは腕が人間サスペンションとなって、クッションを有効に活用できるし、左右のバランスを簡単に取ることもできますので、多少の悪路であれば通過できます、
このように、オフロードバイクに乗ろうと思ったら、まずはスタンディングからはじめましょう。
それができたら、次のステップです。
いくらオフロードとはいえ、ただ闇雲にオフロードを走るのと、頭を使ってオフロードを走行するのでは、その疲労度も大分異なります。
例えば、石がごろごろしているような場所をどうやって通過するかです。
構わずそのまま通過していくのと、できるだけ凹凸の少ないところをゆっくり走行するのでは、明らかに後者のほうがスマートで疲労度も少なく、安全な走り方です。
ですので、オフロードのドライビングには、これから行こうとするラインを、スピードを極力落としてから、ラインを外さずに走行することが大切になります。
理想としては、これから自分が走ろうとするコースを歩いて下見して、ライン取りを確認するのがいいのですが、何キロメートルのコースがある場合には、そんなことをしてもいられません。
ですので、バイクでいろんな場所をまわって見ておくのがいいでしょう。
バイクでライン取りをしっかりと確認しておくのです。
とはいえ、これを行うには、スピードを極限まで落とす必要があります。
いくら軽いオフロードバイクとはいえ、これを行うのは結構難しいものがあります。
中には、エンジンをきって、止まった状態でこの練習をしている人もいますが、楽しくないのであまりおススメしません。
それならば、時速5キロメートルくらいのスピードで、走ったり曲がったり止まったりを自在にできるようにして、さらにもう少しだけスピードを落とせれば、十分ともいえます。

オーバーナナハンのドライビングテクニックと、免許取得

今回は、オーバーナナハンについて説明したいと思います。
その昔、ナナハンなどの大型バイクといえば、ライダーの憧れでした。
それはなぜかというと、まず運転免許がそう簡単に取れるものではないということです。
まず、ナナハンを扱っている自動車教習所の数が、絶対的に少ないです。
ですので、ナナハンを練習する機会というのが、ほとんどありません。
免許センターに設けられています試験場に行かないと、試験を受けることすらできません。
さらに、その試験がとても難しいです。
特に技能試験なのですが、一発合格は至難の業で、合格率は毎回1ケタ台という狭き門でした。
中には50回も100回もうけているという人もいるそうです。
試験の難しさは、まず完走するのが難しいということにあります。
完走できなければもちろん免許はもらえません。
完走できたとしても、内容がよくなければ免許はもらえません。
完走してかつ内容も伴わないと、免許はもらえないのです。
ですので、この時代のナナハンライダーは、まさにライダーの頂点とも言うべき存在でした。
そんな中でも、教習所でナナハンの運転ができるところは、数少ないながらもあります。
そこできっちりと練習をして、教習所を卒業した証であるジャンパーを身にまとって、試験本番に臨むと、試験管も目の色が変わります。
「こいつ、練習してきたな」と、
第一印象がよくなりますので、合格率も高くなるのです。
しかし、最近では教習所で免許が取れるようになりました。
それはそれでいいことなのですが、どうも教習所の方もあまり厳しくないのか、最近のナナハンライダーには、質の低下を感じます。
どうもドライビングテクニックが伴っていないようなのです。
そこで今回は、オーバーナナハンのドライビングテクニックについて紹介したいと思います。
オーバーナナハンは、普通二輪のバイクと大きく違うのは、何といっても車体の重さです。
普通のバイクよりも60キログラムは重さが違います。
この60キログラムというのは、バイクを取り回すにあたっては、大きな差です。
何といっても、大人一人が後部座席にいつも乗っているような感じですから。
まずは、押して歩くときです。
押して歩く時は、バイクを少しだけ自分の向いてる方向へ傾けます。
腰で支えるようにして押し歩きます。
次にパーキングのときです。
サイドスタンドで止めるときには、ギアをローに入れておきます。
パーキングする場所は、平地で硬い路面を選ばないと、こけてしまいます。
オーバーナナハンの発進の時は、緩やかな加速を心がけましょう。
そうしないとウィリーしてしまいます。
ウィリーだけならまだしも、バイクから振り落とされる危険性もあります。
また、カーブなどでバイクをバンクさせている状態のときには、急なアクセルワークは禁物です。
転倒したり、反対車線へ飛び出してしまう危険性があるからです。

下りコーナーは恐怖心との戦い

峠道や旧道を走るとき、避けることができないのが、下りコーナーです。
中には、狭く荒れて見通しの悪い国道もあるから、知らずにその道へ入ってしまったら、大慌てすることになります。
ここでは、極端な悪路と一般道とを、分けて考えてみましょう。
まずは極端な悪路の下り、
たとえば、田舎の山奥にある温泉宿を訪ねるときなどにある、ラット舗装と呼ばれる道です。
これは、路面が急な上に大雨が降ったりする地域なので、道路が川にならないため、
コンクリートの上にぼこぼこマークを押して水はけを狙ったものです。
直線的で、短い距離のことが多い、
しかし、時間とともにぼこぼこマークがすりへってしまい、ほとんどダートかと思うような路面になってしまいます。
この場合、思い切ってローギアかセカンドギア程度で、息を止めて通り抜けるくらいの気持ちで丁度かも知れません。
むろん、オフロードバイクならば問題なく普通に走れる、
落ち葉や砂が散っている旧道の下りだった場合、これはかなり危険を伴うので注意が必要です。
まず、事故を起こしても丸一日人が通らない可能性があること、
故障してもレッカー車が入ってこれないこと、などが主なリスクになります。
それでも森林浴を楽しみたい、写真撮影を楽しみたいなどの理由により、
どうしても危険な1.5車線の下りを通りたい場合があるでしょう。
その場合、極力路肩へ近寄らないのがポイントです。
土砂災害が多い地域もあり、一見普通に見えても、実は内部が水を含んでおり、
わずかな刺激で崩落する可能性があるからです。
何かあったらすぐに停止できる速度で、周りの音を聞きながら、
リアタイヤがきちんと設置しているのを確認しつつ、リアブレーキ重視でゆっくり下って行きましょう。
さて、ここからは、綺麗な舗装路の下りを見て行こう、
高速道路やゆるいRのコーナーだった場合、エンジンブレーキとリアブレーキ重視で普通に走ることができます。
問題となるのは、タイトなコーナーや連続ヘアピンの下りです。
うかっと鼻歌でも歌いながら走っていると、思わず空へ向かってダイブしそうになるから油断できません。
バイクは、目線の向いた方へ向かって走るという特性があります。
そのため、峠道でひらけた絶景に目が行き、つられてそちらへ向かって突っ込みそうになった、なんて事態になるので。
ここは辛抱して、路面をクリアすることに集中してみましょう。
まず目線は、2つ先のコーナーを見るイメージで。
重心を下げ、身体全体がリアタイヤと同化する気持ちを持つこと、
右コーナーに恐怖感を持つライダーも多いと思うが、これは峠に入る前に肩を回す、
深呼吸するなどで、緊張感をやわらげておくと多少気持ちが楽になります。
コーナリングの最中にブレーキを踏まないのは基本だが、あえてリアブレーキをごく軽く、
ゆっくりかけながら、路面へのトラクションをかけ続ける、というテクニックもあるので、危険の少ないコーナーで、
自分に向く方法を探ってみても面白いかも知れません。
タイトな連続ヘアピンでは、呼吸と荷重移動をリンクさせ、バイクを反対側に倒すタイミングに合わせて体を一瞬浮かせるとうまくいく、
さあ、自信をもって実践してみましょう!

2輪技術向上に8の字ターン。

私が自動2輪の免許を取得したのは実は30を過ぎてから。
最初は中型。
その1年後にやはり大型が欲しくなり再度取得しに行きました。
バイクは学生時代にも乗っていたので操作性には全く問題なく、
そういう生徒には教官もかなり心を開いてくれます。
「ああ、こいつはテクはあるけど免許だけないんだな・・・」と。
技術的な指導などはあまりなく、ただ単に時間をこなすという教習が続きました。

しかしこと8の字ターンの時は態度が一変。
私の体重移動に違和感を覚えたようです。
教官がやるとハイスピードでできる8の字ターンが私の場合
オーバー気味になってうまく出来なかったんですね。
この日から最終日まで私の大型自動2輪の教習は
ほぼこの8の字ターンに費やされることになりました。

視線の向きやアクセルワーク、クラッチワークの確認作業もできたので
かなり勉強になる教習というか練習になりました。
結果的にはかなり上達したのですが、
暇さえあったらこれは免許取得後も
繰り返し練習したほうがよいとアドバイスを受けました。

これは白バイ隊員も繰り返し行う訓練なのだそうです。
言われてみれば学生時代八王子に住んでいたのですが、
その近所にある白バイ隊員の練習がこの8の字ターンでした。
それこそ何度も何度も繰り返し8の字ばかりを繰り返していました。
バイクの取り回しには欠かせない技術なのでしょう。
トップ選手になればなるほど基本に忠実といいます。

私も初心を忘れずにたまに8の字ターンを練習するようにしています。
8の字ターンをちょっと考えてみます。
この8の字ターンにはバイクの特性をすべて兼ね備えて引き出す
必要があるので、2輪を操作するうえで特に重要視される練習ですよね。
白バイ隊員さんの動画などを見ても、早く走っているようで実に
スムーズに確実に制御されていることがわかります。
倒す、曲がる、アクセルを開ける、ブレーキする。
これら一連の動作に全く無駄がなくなおかつスムージー。
丁寧な操作がゆえに8の字ターンがとてもアグレッシブに見えます。
体重移動や機器操作を絶え間なく行っているが故の優雅な走りなんですね。

水鳥の水面下の足のようなものです。
これらを絶妙に習得しさえすれば、
バイクの技術は格段に上がっていると思います。
私も実際に何度も練習を繰り返していますが、
以前とは全くの別人というくらい上達できました。
もちろん砂を踏んでこけたこともなんどもありますが、基本はバイクの制御。
性質や性能を熟知するために最適な練習方法だと思います。

現在は、免許取得者に対する教習を行っている教習所があるのかどうかは
わかりませんがおそらく今でもサービスは続いていると思います。
そのような教習所施設を利用して自分のテクニックを磨くこともバイク技術
向上の一つの手段かもしれません。
またその際は自分のバイクの性能や機能を十分に知るためにも
マイバイクで行ったほうがいいですね。

私も実際に友達になった教官を通じて何度か練習したことがありますが、
教習所のバイクと自分のバイクではずいぶん乗り心地が違います。
制御感が違うんですよね。
とにかく2輪テクニックは練習あるのみ。
教習所、私有地などで
特に8の字ターンを練習しましょう。

バイクでUターンをするコツ

初めてバイクの免許を取ったとき、
憧れの念願のバイクに乗って様々なところに
ドライビングにいくかと思います。
中型・大型のバイクに乗ってのドライブは楽しいもので、
まさに風にのる感覚を味わうことができるのが
こうしたバイクの特徴です。

しかし、バイク初心者の方にとってなかなかやっかいなのが、そのバイク技術です。
大きなバイクを運転するのはそれなりの技術やコツがいりますので、
その技術を身につけるまでにどうしてもバイクをこかしてしまう。
こけてしまう問題が発生します。
特に初心者の方にとってもっとも難しいのが
Uターンではないでしょうか。

重さが何百キロもあるバイクは原付バイクとは勝手がちがって、
Uターンをするにもコツがいるのです。
今回、バイクのドライビングテクニックの1つである
Uターンのコツについてご紹介したいと思います。

おそらくUターンが苦手な方は、低スピードでUターンを
開始し、そして途中で曲がり切れずにこけてしまうという
例が多いのではないでしょうか。

スピードはゆっくりでUターンをしても問題ないかと
思いますが、この際大事なポイントとしては
一度に180度回ろうと考えないことだと思います。
一度にUターンを成功させるまでには、
なかなか時間がかかりますので、
まずは90度ターンして、そしてもう一度90度ターンして、
最終的にUターンを完成させるという方法が
初心者の方にとってはベストなやりかたの1つになるかと思います。

またUターンをするときは、恐くて顔を正面にむけがちです。
ですが、それほどバイク自体はこけるものではありませんので、
もっと曲がる方向に顔を向けることをオススメします。
曲がる方向に自分の顔を向けることによって、
重心が曲がる方向へと傾いてくれますので、
そのぶんハンドル操作が楽になるかと思います。
あとは、スピードの調節をしながらだったり、半クラッチを
しっかりと利用することで、Uターンの問題は解消されるかと思います。

特に大型バイクの場合は細い道でのUターンはなかなかやっかいではあります。
なので、そうしたときは、思い切ってUターンをしないという
方法もありだと思います。

細い道では熟練者の方でもUターンが難しいですので、
まずは大きな道でUターンの技術を学ぶ。
そしてたくさん愛車にまたがってドライブをする。
こうした経験を続けていると自然とバイクの扱い方が
勝手に身についていくものですので、
あせらずにバイクに乗っていくのもひとつの方法だと思います。

たくさんバイクにのって愛車を自分の手足のように
動かすことができたら、より安全にそして楽しく乗ることができますので、
頑張ってチャレンジしてきましょう。