下りコーナーは恐怖心との戦い
峠道や旧道を走るとき、避けることができないのが、下りコーナーです。
中には、狭く荒れて見通しの悪い国道もあるから、知らずにその道へ入ってしまったら、大慌てすることになります。
ここでは、極端な悪路と一般道とを、分けて考えてみましょう。
まずは極端な悪路の下り、
たとえば、田舎の山奥にある温泉宿を訪ねるときなどにある、ラット舗装と呼ばれる道です。
これは、路面が急な上に大雨が降ったりする地域なので、道路が川にならないため、
コンクリートの上にぼこぼこマークを押して水はけを狙ったものです。
直線的で、短い距離のことが多い、
しかし、時間とともにぼこぼこマークがすりへってしまい、ほとんどダートかと思うような路面になってしまいます。
この場合、思い切ってローギアかセカンドギア程度で、息を止めて通り抜けるくらいの気持ちで丁度かも知れません。
むろん、オフロードバイクならば問題なく普通に走れる、
落ち葉や砂が散っている旧道の下りだった場合、これはかなり危険を伴うので注意が必要です。
まず、事故を起こしても丸一日人が通らない可能性があること、
故障してもレッカー車が入ってこれないこと、などが主なリスクになります。
それでも森林浴を楽しみたい、写真撮影を楽しみたいなどの理由により、
どうしても危険な1.5車線の下りを通りたい場合があるでしょう。
その場合、極力路肩へ近寄らないのがポイントです。
土砂災害が多い地域もあり、一見普通に見えても、実は内部が水を含んでおり、
わずかな刺激で崩落する可能性があるからです。
何かあったらすぐに停止できる速度で、周りの音を聞きながら、
リアタイヤがきちんと設置しているのを確認しつつ、リアブレーキ重視でゆっくり下って行きましょう。
さて、ここからは、綺麗な舗装路の下りを見て行こう、
高速道路やゆるいRのコーナーだった場合、エンジンブレーキとリアブレーキ重視で普通に走ることができます。
問題となるのは、タイトなコーナーや連続ヘアピンの下りです。
うかっと鼻歌でも歌いながら走っていると、思わず空へ向かってダイブしそうになるから油断できません。
バイクは、目線の向いた方へ向かって走るという特性があります。
そのため、峠道でひらけた絶景に目が行き、つられてそちらへ向かって突っ込みそうになった、なんて事態になるので。
ここは辛抱して、路面をクリアすることに集中してみましょう。
まず目線は、2つ先のコーナーを見るイメージで。
重心を下げ、身体全体がリアタイヤと同化する気持ちを持つこと、
右コーナーに恐怖感を持つライダーも多いと思うが、これは峠に入る前に肩を回す、
深呼吸するなどで、緊張感をやわらげておくと多少気持ちが楽になります。
コーナリングの最中にブレーキを踏まないのは基本だが、あえてリアブレーキをごく軽く、
ゆっくりかけながら、路面へのトラクションをかけ続ける、というテクニックもあるので、危険の少ないコーナーで、
自分に向く方法を探ってみても面白いかも知れません。
タイトな連続ヘアピンでは、呼吸と荷重移動をリンクさせ、バイクを反対側に倒すタイミングに合わせて体を一瞬浮かせるとうまくいく、
さあ、自信をもって実践してみましょう!