特殊なメーカー!ビューエルとは
特殊なメーカー?
ビューエルはオートバイメーカーというより、ブランドといえるもので、他のメーカーと違う点がいくつかあります。
1983年、ハーレーダヴィットソンのエンジニアであったエリック・ビューエルがRW750を製作したことに端を発します。
その後エリックは1986年、独立しビューエルモーターサイクルカンパニーを設立することになるのですが、ハーレーダビッドソン製のエンジンをオリジナルフレームにマウントするという、ビモーターと同様の形式を取っています。
ですがビモーターは複数メーカーのエンジンを搭載していましたが、ビューエルは一貫してハーレーのエンジンを使用していました。
そして1998年ハーレーに買収され自社ブランドとなると、当然のようにそのエンジンが搭載されることになります。
ですがハーレーブランドであるビューエルが、ロータックス製水冷Vツインエンジンを搭載した1125Rも存在しています。
ビューエルはハーレーのエンジンを搭載し、ハーレー内のブランドであるのに、別会社のエンジンも積んだことがあるという変わり種なのです。
そして2009年ハーレーはスポーツ・バイク分野からは撤退することを発表しました。
しかしエリックはエリック・ビューエル・レーシングを設立し、2010年ホンダと合弁解消したインドのヒーロー・モトコープと2012年技術提携し、2013年その傘下に入りました。
2014年にはスーパーバイク世界選手権にシリーズ参戦しています。
ハーレーの撤退以降、市販車の販売はされていませんが、ヒーローエンジンを搭載したビューエルが登場するかもしれません。
マシンの特性
ビューエルのマシンは、現在レースに不利とされているハーレーのエンジンを搭載していることが最大の特徴です。
ハーレーはアメリカンツアラーの代表ともいえるスタイルをしており、馬力よりも低速域でのトルク重視で、スポーツにはまったく向いていません。
ビューエルは大型ツアラーであるハーレーの真逆ともいえる、超ショートホイーツベースを実現し、俊敏なハンドリングを実現させています。
V型2気筒の特徴ともいえる振動は、ラバーマウントにより押さえ、マフラーやサスペンションエンジンなど重い部品を中央下部に集めることにより、操縦性を上げています。
また鈍重であったV型OHVをチューニングすることにより、レスポンスを高め、基本的なトルク特性により出足と立ち上がりに強いマシンへと変化させています。
ビューエルのシリーズには、ストリートタイプのライトニング。
カウル付きのファイヤーボルト。
未舗装路も走行できるマルチパーパスモデルであるユリシーズがあります。
いずれのモデルも、ハーレーエンジンを搭載していながら、国産マシンに匹敵する軽さであり、俊敏な動きを実現しています。