5月 2016アーカイブ

トライアンフの波乱に満ちた歴史

波乱に満ちたその歴史

トライアンフはイギリスのメーカーで、その歴史は古く、1885年に設立した輸入貿易会社がその原型とされています。
当時普及しだした自転車を扱い、1887年自社製造を手掛けるためトライアンフ・サイクルを設立しました。
そしてオートバイが登場すると、1902年他社製エンジンを自社製フレームに搭載した1号車を登場させ、1905年にはエンジンも自社製のバイクを登場させ、1906年にはトラアンフ・エンジニアリングと変わりました。

トライアンフのバイクは1907年に始まったマン島TTレースで活躍し、その完走率の高さ(当時のバイクでは完走すら難しい)と1908年の優勝により高評価を得ることになります。
そして第一次世界大戦のおりには、連合軍の車両として使われ、より一層評価を高めることになります。
ですがこの大戦後、トライアンフは波乱に満ちた道を歩んでいくことになります。

1923年4輪車の発売を開始。
1932年自転車部門売却。
1936年オートバイ部門買収される。

1939年第二次世界大戦勃発、空襲を受け工場壊滅。
1951年BSAへ売却。
1960年代後半日本製バイクにより業績悪化。
1973年ノートンと合併。

1977年合併会社倒産。
1984年トライアンフの商標権や生産権が購入されトライアンフ復活。
しかしライセンス生産の条件がオリジナルに忠実であったため、現在の環境基準に適合しておらず1988年生産終了。

1990年現在の会社が設立。
1991年本格生産スタートと、トライアンフの名前は継続していますが、経営母体は幾度も変わっています。

現在のトライアンフ

波乱に満ちた歴史を歩んでいるトライアンフですが、第二次大戦中にメリデンに工場が移され、その工場から名車が数々生み出されています。
この時代を彷彿とさせる懐古調のデザインは空冷2気筒を搭載し、ボンネビル、スラクストン、スクランブラーとして今も継承されています。

トライアンフの代名詞といわれる3気筒エンジンは現在では水冷化し、スーパースポーツやツアラー、デュアルパーパスモデルなどの主力として搭載されています。
マルチでもツインでもない並列トリプルは、バイクエンジンとしては珍しく、その出力特性や振動とともに人気の一つとなっています。

またトライアンフはクルーザーも製造していますが、スピードマスター、アメリカは空冷並列2気筒。サンダーバードは水冷並列2気筒を搭載しています。
そして市販車最大排気量の2294ccを誇るロケットシリーズは、並列水冷3気筒を搭載しています。
この排気量ですと1気筒あたり約764ccとなり、単気筒で以前の国内最大排気量であった750ccをゆうに超えることになります。

このエンジンは排気量の割りに馬力は148psとスポーツバイクほどではありません。
ですがトルクがとてつもなく、221Nm/2,750rpmと乗用車並です。

バイクとしては最重量級である374kgですが、自動車並みの重量ではありません。
低い回転域から発生する自動車並のトルクは、重い車体をものともせず別次元へと加速することが可能となっています。