ワールドチャンピオンに輝いたドゥカティとは
日本車以外で初めてのワールドチャンピオンになった
1961年、マン島TTレースでホンダが初優勝して以来、日本製のバイクは世界のオートバイレースの中心であり、一時期は日本製でないと勝てないとまで言われていました。
ですが1978年無敵艦隊といわれたホンダRCBをマン島で破り、日本車以外だと勝てないといわれたスーパーバイク世界選手権では無敵を誇り、そしてMotoGPで日本車以外でワールドチャンピオンに輝いた初のメーカーがドゥカティです。
ドゥカティは1946年発売のクッチョロ以降、常にレースに関わってきました。
そしてレースの節目の際には、超過激ともいえるモデルを発売しています。
マン島で優勝した翌年の1979年にはマイク・ヘイルウッド・レプリカ。
目まぐるしく変化するスーパーバイクのレギュレーションに合わせ、888から916、995、996、999、1098。
MotoGP優勝の2007年にはMotoGPのフルレプリカであるデスモセディチが販売されています。
マニア涎垂のこれらのモデルは、免許があれば載ることが可能ですが、あまりの過激さゆえに載り手を選ぶことでも有名です。
初心者には厳しいマシン
ドゥカティといえば、パイプフレームにL型エンジンを搭載することで有名ですが、このL型というのはV型エンジンを傾け、下側のシリンダーが地面と水平になるほど寝かせています。
そのため機能的にはV型なのですが、L型と呼ばれているのです。
日本製とまったく異質なドゥカティですが、インジェクション化などにより、以前よりはマイルドなセッティングになっていると言われています。
ですが限定モデル以外でもフルカウルのマシンは初心者にはお勧めできるマシンではありません。
バブル時代、国内でレーサーレプリカブームが起きました。その中でプロダクションレースにそのまま出場できるといわれたホンダNSRがありました。
普通に載るだけで、カウルに隠れるようなそのポジションはツーリングには不向きで、レースや峠など走る以外は使いようがありませんでした。
ですがドゥカティは、通常販売しているモデルであってもNSRよりも攻撃的な前傾姿勢なのです。
ハンドルも切れにくく、足つきよりもライディングの際の重心を重視してあるため、取り回しは厳しいものがあります。
またマイルドなセッティングになったとはいえ、あくまで過去のドゥカティと比べてであり、国産とは比べ物になりません。
ドゥカティの魅力
初心者には厳しいドゥカティですが、中級者以上にはそれが最大の魅力へと変化します。
国産ですと改造しないと発生しない出力特性が、無改造の状態で発生できます。
載りにくいのではなく、乗りこなす楽しさが発生するのです。
また攻撃的な前傾姿勢も他に類するメーカーはなく、スタイリングも相まって魅力の一つとなっています。
初心者には厳しいドゥカティですが、ストリート向けのカウルレスモデルも販売されています。このモデルは前傾姿勢や出力特性もストリートユーザーに対応しており、扱い易い仕様になっています。